2016年4月 9日 (土)

平成27年度の活動について

2846hagiwarahodoukyou_2 2846kenndou 2846gumizawasinngou 市民、市議、区長等からの要望を受けて平成27年度に実施した県事業について、その一部を紹介します。① 旧国道138号萩原地先交差点の歩道橋撤去と交差点改良(写真左) ② 旧国道246号湯沢地先の歩道改良(写真中) ③ 滝ヶ原街道茱萸沢地先の交差点に信号機設置(写真右) なお、平成25年9月の県議会定例会における調整区域内の観光資源に係る建築物の建築についての私の質問を受け、県において指針を策定し、これを受け、御殿場市において秩父宮記念公園や樹空の森、時之栖等周辺における観光関係の建築物の建築が許可されるようになりました。小山町においても、同様の取組が始まるようです。 

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2013年3月13日 (水)

県議会代表質問概要

平成252月定例会 代表質問(2/27) 概要              池谷 晴一

                                                               
 

質   問

 
 

答   弁

 
 

1 知事の政治姿勢について

 

  知事マニフェストに、総合計画審議会の政策提言を加え、総合計画を策定した。このマニフェストは、第7回マニフェスト大賞・首長部門大賞を受賞したところである。

 

  更に、平成24年度「ふじのくにづくり白書」によれば、総合計画基本計画について、98%・360の取り組みが順調に推移している、としている。

 

  これからの日本、そして、静岡県を考える時、様々な課題が山積しており、県民は、的確な施策構築と迅速な対応、前倒しで実行ができるリーダーを求めている、と思う。

 

知事就任から14年間が終わろうとしているが、その総括と今後の静岡県、県民への思いを知事に伺う。

 
 

(川勝知事)

 

 知事候補者として提示したマニフェストは、9ヵ月経った時に総合計画室で独自に評価し、「実施」「進行中」が95%ということになった。

 

当 時進行中であった総合計画にそれを全て落とし込むということを含めつつ、総合計画審議会においての意見、さらに県民の皆様、県議会からの提言を加え、総合 計画「富国有徳の理想郷“ふじのくに”のグランドデザイン」を策定したが、その経緯からして、これは「県民の、県民による、県民のためのマニフェスト」と 表現できるものであり、その計画を前倒しで実現するべく、全力を傾注してきた。

 

 先ごろ公表した2度目の“ふじのくに”づくり 白書、すなわち評価書では、その一部に「目標達成に向け、より一層の推進を要する」と評価された項目があったが、全体としておおむね順調に推移していると の評価を得ている。これは、県民の皆様を始め、学識経験者や県議会による評価を踏まえ、PDCAサイクルを通じて不断の見直しを行った結果・成果であると 考えている。

 

 県政の諸課題については、総合計画すなわち「県民の、県民による、県民のためのマニフェスト」の評価も踏まえ、施策の改善や重点化を図り、この基本計画の総仕上げに向けて取り組んでいく。

 

 地震・津波対策については、南海トラフの巨大地震による被害想定等を踏まえて、新たな地震・津波対策アクションプログラムの策定と着実な対策の推進に取り組んでいく。

 

防災・減災と地域成長を両立した地域づくりを目指す「内陸のフロンティア」を拓く取組についても、先ごろ、国の総合特区に指定されたところである。

 

 少子化対策では、今年度、健康福祉部に一体的な施策推進体制を整備した。その成果を踏まえて、取組の強化を図る。

 

 また、本県教育の一層の充実を図るため、「教育行政のあり方検討会」での意見を踏まえ、教育委員会と 連携した取組を進める。指導主事の先生方を現場に戻すということが、平の教員に戻すというように誤解されている向きがあるが、指導主事は先生の先生であ り、先生を大事にするためには、そうした先生の先生を、職員室に移す。すなわち「あすなろ」や本庁ではなく、教育の現場に移す。移動指導主事室の場所は職 員室にあるということである。そうしたあり方を、我々は今、検討をお願いしている。 小中学校全学年での35人学級についても、県単独措置等により実施する。

 

 経済・雇用対策については、日本一を誇る食材を活かした食の都づくり、医療・健康、食品、環境エネルギーなど新産業の育成や、雇用創造アクションプランの推進に官民一体となって取り組んでいる。

 

富士山の世界文化遺産登録や伊豆半島の世界ジオパーク認定に向けた取組も着実に進めている。

 

 今後とも、現場に赴き、現場から学び、現場で解決することを原則にした現場主義を基本姿勢とし、県民誰もが誇りと希望を持って暮らすことのできる富国有徳の理想郷“ふじのくに”づくりの実現に、より一層のスピード感を持って、全身全霊で取り組む

 
 

2 平成25年度当初予算編成について

 

  新年度の当初予算案は、任期4年の最後の年となる川勝知事にとっては、自ら策定した総合計画の総仕上げの年、集大成の予算編成であったが、多額の財源不足が見込まれ、大変厳しい状況下での予算編成になったと思う。  

 

我が会派は、当初予算編成に対する要望として、地震・津波対策や経済・雇用対策、教育などの重点要望項目について申し入れを行ったが、知事は、平成25年度当初予算編成に当たり、こうした我が会派の要望を踏まえ、予算編成を、どのようになされたのか伺う。

 
 

(川勝知事)

 

 平成25年度当初予算は、「富国有徳の理想郷“ふじのくに”づくり」を目指す「県民の県民による県民のためのマニフェスト」、すなわち総合計画の基本計画が最終年度を迎えることから、その総仕上げとなる予算として要望を踏まえ、3つの方針に基づいて編成した。

 

 方針1、これは「“ふじのくに”づくりを総仕上げする重点施策の展開」であり、方針2は「総合計画目 標達成に向けた取組の推進」である。方針3は「自立を支える行政運営の実現」である。具体的には、民主党・ふじのくに県議団からの要望も踏まえ、6つの重 点施策に沿って予算を編成した。

 

 重点施策の第1の「「内陸のフロンティア」を拓く取組」では、予防防災と経済成長モデルの両立を図る地域づくりを進める。市町の地域づくりを支援するアドバイザー派遣制度を創設して、全体構想を推進するほか、先導的モデルとなる事業の着実な推進に取り組む。

 

 第2の重点施策「エネルギーの地産地消の推進」では、太陽光発電設備等の導入を引き続き支援する。また、天然ガスコージェネレーションなどを活用した地域内のエネルギーを有効利用する取組を推進するほか、海洋再生可能エネルギーのポテンシャル調査を行う。

 

 重点施策第3の「地震・津波対策の推進」では、防潮堤、河川堤防の整備、水門への避難用階段の設置、津波対策を県内全域で進めるほか、「大規模地震対策等総合支援事業費」の補助限度額撤廃を平成27年度まで延長、第4次地震被害想定の啓発など、ハード・ソフト両面から対策を進める。

 

 重点施策第4の「富士山の後世への継承」では、富士山の世界文化遺産登録を見据え、富士山周辺施設を活用した情報発信を行う。また、富士山の眺望を楽しむ観光ルートの活性化などにより、交流人口の拡大を目指す。

 

 重点施策第5の「雇用・経済対策の機動的な実施」では、「静岡県雇用創造アクションプラン」に掲げる3万人の雇用創出の達成に向けて、新エネルギーなどの成長分野への参入を目指す地域企業への支援、また介護分野での雇用のミスマッチの解消、人材の育成に取り組む。

 

 重点施策第6の「少子化対策の充実」では、保育所待機児童を解消するため、保育所等の施設整備や保育士確保のための支援を行う。また、ひとり親家庭の保育サービスの利用料金に対する助成制度を創設するなど、安心して子どもを産み育てやすい環境の整備を進める。

 

 このほか、「教育環境条件の整備」については、小学校、中学校の全学年で静岡式35人学級編制を完成させるため、必要となる教員を県独自で増員する。コミュニケーションスキルの指導を行うなど、発達障害のある児童・生徒等に対する支援の充実にも努める。

 

 これらの施策に全庁を挙げてスピード感を持って取り組み、県民幸福度の最大化に向けて、全力を傾注していく決意である。

 
 

3 地域主権改革の推進について

 

地域主権改革は、この国の在り方を大きく転換するものであり、政府は、これを推進してきた。

 

今まで、基礎自治体への200条項余の権限移譲や、8府省18事業に及ぶひも付き補助金の一括交付金化を実現した。また、国の出先機関改革では、ハローワーク特区を埼玉県と佐賀県で実施するなど、改革の推進に取り組んできた。さらに、「国と地方の協議の場」の法制化や、社会保障・税一体改革など成果を挙げている。

 

一方、現政府は、一括交付金を平成25年度から廃止し、いわゆるひも付き補助金を復活するなど、地方自治体の自由度や自主性の面で、後退するのではないかと危惧する声が上がり始めている。

 

今まで実施してきた地域主権改革に対する評価と今後の改革のあるべき姿について、知事の所見を伺う。

 
 

(政策企画担当理事)

 

 民主党政権が進めた地域主権改革においては、例えば、義務付け・枠付けの見直しで、公の施設の設置管理の基準を都道府県が条例で規定することが可能となった。

 

 また、ひも付き補助金の一括交付金化では、地域自主戦略交付金を創設して、一定程度、地方公共団体の裁量に委ねるなど、地域が自らの判断と責任で、地域の諸課題に取り組むことができるよう、個別の取組を推進してきたことは、一定の評価がされるものと考えている。

 

 しかしながら一方で、改革を推進するに当たって、国出先機関の地方移管に向けた取組に代表されるよう に、将来の国と地方のあるべき姿を描き、役割分担についても見直した上で、大局的な見地から個別の具体的な政策を進めるべきものであると考えられるが、こ うした見地をやや欠いていた感がある。

 

 今後の改革のあるべき姿については、まず、国が「この国のかたち」をしっかりと描いた上で、住民に身近な行政は、地方公共団体が自主的かつ総合的に担うという、改革の理念を明確にして取り組んでいくことが望まれると考える。

 
 

4 内陸のフロンティアを拓く取り組みについて

 

(1) 構想の推進

 

内陸のフロンティアを拓く取り組みは、昨年9月に全体構想が策定され、併せて総合特区の申請が行われたが、「災害に強い魅力ある地域づくり」を早期に実現できるよう、構想段階から実行段階へと進めていく必要がある。

 

 こうした中、今月15日には、本県の取組が総合特区に指定された。これは、取組の意義や提案が評価されたものであり、今後の取組に大きなはずみがついたと考える。

 

 構想を実行段階に移すために、今後どのように本取組を進めていこうとしているのか伺う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(2) 土地利用計画の見直し

 

 東日本大震災以降、沿岸部に立地している企業や住民の内陸部への移動が起きているほか、沿岸部の地価が下落するなど、企業活動や県民生活などに様々な影響が生じている。

 

 しかし、沿岸部は、災害に強く豊かで潤いのある地域へ発展していく可能性があり、内陸部は、物流企業等の進出など地域活性化への様々な期待がある。

 

 沿岸部の再生と内陸部の革新、防災減災と地域成長を謳う内陸のフロンティアの構想を推進するためには、自然環境等に配慮し、また、都市計画法等に基づく様々な土地利用に関する計画との調整も必要である。土地利用についての方針や基準の見直しついて、県の方針を伺う。

 
 

(1)(川勝知事)

 

 「内陸のフロンティア」を拓く取組の推進に当たっては、早期に先導的な地域モデルを具体化させたいと考えており、有事に備えた地域づくりであるとともに、地域の経済成長モデルとなることを実証する必要がある。

 

 このため、平成25年度当初予算においては、市町の先導的な取組を支援することに加え、本構想を県全域に広げるため、アドバイスチームを派遣する経費などを盛り込み、全部局を通じて200億円を超す関連予算を計上した。

 

 さらに、企画広報部に、「内陸フロンティア推進室長」及び「内陸フロンティア推進班」を設置し、取組全体の司令塔としての機能を強化し、庁内関係部局はもとより、市町や民間とも連携・協力し、スピード感を持って着実に取組を進める。

 

 今月15日の総合特区指定に当たり、国から 「南海トラフ大地震対策は日本の経済活動の維持のために不可欠であり、防災と地域経済振興を結び付けた本提案の意義は大きいと考えられる。また、震災復興 地域に対する機能モデルを提供することが期待される点も評価できる。」との評価をいただいたところであり、本構想の意義を全面的に支持されたものだと受け 止めている。

 

 今後とも、沿岸部における活力の維持・向上に努めつつ、防災・減災と地域成長の両立を目指す。そのた めには、関係市町や企業と連携しながら、県民、そして、日本全体のため、総合特区制度を始め、国の関連制度も活用し、本県全域で「安全・安心で魅力ある地 域づくり」に邁進する。

 

(2)(政策担当理事)

 

 都市計画法などの土地利用に関する個別規制に対して、総合的な見地から土地利用の基本的方針を示す「静岡県土地利用基本計画」は、平成233月 に策定されたものであり、新東名の開通や南海トラフ巨大地震の影響等を反映していないため、東日本大震災以降の状況変化を反映し、「内陸のフロンティア」 を拓く取組も踏まえ、沿岸部と内陸部それぞれの土地利用の在り方を明確にした基本計画にしていくことが必要と考えている。

 

 このため、21日 に開催した県国土利用計画審議会において、安心して生活し、生業を継続できる魅力ある沿岸部の再生と、新たな成長を担う内陸部の形成に向けて、自然環境と 景観との調和、緑地空間の創出による防災・減災機能や居住環境の向上を図ることなどを盛り込んだ基本計画の改正案を示し、御審議いただいたところである。

 

 今後、審議会での意見を踏まえ、市町との調整や国との協議を実施し、さらにパブリックコメントにより広く県民の皆様の意見も聞きながら、土地利用基本計画を改正して、県土の計画的かつ良好な土地利用を図りつつ、「内陸のフロンティア」を拓く取組の推進に努めていく。

 
 

5 再生可能エネルギーの導入促進について

 

  一昨年の福島第一原子力発電所の事故を発端として、我が国では、新たな電力供給源として、自然資源を活かした再生可能エネルギーの利活用を進める気運が高まっている。

 

  再生可能エネルギーは、環境に優しいことに加え、地域の資源を活用できることなど地域の活性化にもつながるため、更なる導入が期待されている。

 

昨年7月から始まった再生可能エネルギー固定価格買取制度を契機として、県内でもメガソーラーを始めとする発電事業者が急増しており、今後も、太陽光発電の導入を加速していく必要があると考えるが、県では、今回、太陽光発電については、目標を大幅に引き上げる、とのことである。来年度以降どのように取り組むのか、伺う。

 

また、小水力、温泉、地下水、更に、海洋エネルギー等再生可能エネルギーの導入について、県の方針を伺う。

 
 

(政策担当理事)

 

 本県では、東日本大震災以降、太陽光発電の導入促進に積極的に取り組み、平成32年度までの目標である30万kwを8年前倒しで今年度に達成する見込みであることから、目標をこれまでの3倍の90万kwに大幅に引上げ、引き続き、強力に導入を促進していく。

 

 来年度においては、住宅用の助成件数を11,000件から13,000件に拡大するとともに、導入を進める中小企業に対して、県の制度融資における利子補給率を従来より0.2%上乗せして、支援を行う。

 

 また、農業現場への太陽光発電設備の導入を促進する助成制度を新たに創設するほか、県民ファンドの活用などにより、広く太陽光発電の導入機運を高めていく。

 

 一方、小水力発電では、奥野ダムや農業用水への率先導入に取り組むほか、温泉熱発電についても、東伊豆町と協働して、観光地における小型発電設備の実証実験を行っていく。

 

 富士山麓の豊富な地下水を活用した熱交換システムのモデル設置や、洋上風力発電、波力発電の導入可能 性調査等にも取り組み、太陽や水、温泉、海洋など、本県が有する豊かな自然資源を活用した再生可能エネルギーの導入を促進して、安全・安心で持続可能なエ ネルギーの地産地消を目指していく。

 
 

6 富士山に係る諸課題について

 

(1) 登山者の安全確保対策

 

富士山の遭難件数が増加し、大変深刻な状況となっており、こうした状況を受け、山岳遭難防止対策協議会の各支部からは、県条例の制定要望が出されており、県の対応に期待を寄せている。

 

富士山に、無計画な上に、軽装で十分な装備も持たずに登る登山者が救助を求めるケースも見受けられる。

 

登山者の安全確保について、どのように取り組んでいくのか、対応を伺う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(2) 遭難事故対策

 

一方、ひとたび富士山で遭難事故が発生すれば、冬期の非常に厳しい現場においても、県警の山岳遭難救助隊が出動し、人命救助作業に当たっている。

 

私の地元の御殿場警察暑にも、山岳遭難救助隊員が配置されているが、遭難してしまった登山者を、一人でも多く救助するための対策についても、万全を期して欲しいと願う所である。

 

富士山における遭難事故の現状を踏まえ、今後の更なる取り組みについて警察本部長に伺う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(3) マイカー規制

 

富 士山のマイカー規制については、徐々にマイカー規制期間を拡大して、渋滞の緩和と環境保全に努め、その結果、規制期間中の渋滞緩和や公共交通を利用した計 画的な登山ができるようになってきたと考えるが、その一方で、規制期間外における渋滞や路上駐車は解消されておらず、更なる対策が必要である。

 

また、須走口ふじあざみラインの改良や違う登下山道利用のための道路整備、シャトルバスの運行等課題もある中、マイカー規制の結果、効果と来年度以降の対応を伺う。

 
 

(1) 文化・観光部長

 

 県では、多発する遭難事故や登山届の義務化の要望などを踏まえて、昨年7月に、庁内関係各課で構成する「富士登山安全対策会議」を立ち上げ、対策を検討するとともに、地元市町及び関係者を始め、国や山梨県とも協議してきた。

 

 その結果、従来から行っている夏の登山シーズンの登山道、標識等の整備や富士登山ナビゲーターの配置などに加え、総合的な富士登山の指針となる(仮称)「富士登山ガイドライン」を策定することとした。

 

 ガイドラインでは、十分な装備を持たない登山者に対して一層の注意喚起を促すなど、安全な富士登山のための必要事項を明記するほか、特に、夏山シーズン以外の遭難リスクと登山の自粛を強く訴える内容とする予定である。

 

 登山道が閉鎖されている期間の登山届については、条例で義務付けることはできないものの、遭難事故が相次ぐ深刻な状況であり、登山届が迅速な救助活動に資することを踏まえ、ガイドラインの中で提出を義務付けることとしている。

 

 今後は、国、山梨県、地元市町、観光事業者などを構成員とする「富士山における適正利用推進協議会」 でガイドラインを決定し、今年の山開きまでには、4か国語のリーフレットやホームページで、国内外の登山者に周知するとともに、登山ツアーを実施する旅行 会社向けのガイダンスを行うなど、登山者の安全確保に努めていく。

 

(2) (警察本部長)

 

 遭難事故の現状であるが、平成24年中、富士山では5670人が遭難し、対前年比914人の増加で、件数・遭難者とも10年前の約3倍に増加し、過去最悪の状態になっている。

 

 主な遭難原因は、装備品や情報収集などの準備不足と天候などを無視した強行登山や体調管理不足であり、遭難者の大半は県外者又は外国人である。いずれも登山計画書を提出せず、多くは単独登山であり、7月と8月の夏山登山シーズンは観光気分で登山して道に迷い、遭難するケースが多くみられた。

 

 今後の取り組みについては、遭難事故を未然防止するため、静岡県や環境省の富士山適正利用協議会と連携した広報活動を強化する。具体的には、昨年夏、在京アメリカ大使館などの19大使館に登山情報を発信したが、今年も関係機関と連携し登山者の耳に届く広報に努める。

 

 また、夏山登山シーズンには、臨時警備派出所の設置などにより、登山指導やパトロールを計画的に行い、夜間の単独登山事故に遭いやすい登山者への直接指導等を効果的に展開していく。

 

 さらに、最近、冬季においては裾野市側の登山者が多いことから、裾野警察署の新設に合わせて山岳遭難救助隊員を5人増強し27人体制とし、隊員を航空隊に配置するなど、空陸一体となった迅速的確な対応ができるよう体制の充実を図っていく。

 

(3) (交通基盤部長)

 

 県では、平成6年度に富士宮口でマイカー規制を実施して以来、規制期間の拡大や須走口への導入、乗換駐車場の有料化等、取組を充実しながら、安全で快適な富士登山と環境保全の実現に努めてきた。

 

 今年度は、両登山口とも、マイカー規制を旧盆前の平日を加えた34日 間に拡大して実施した結果、交通渋滞の原因となる路上駐車の発生日数は昨年度に比べ減少させることができ、また、利用者へのアンケートからは、規制期間の 拡大や乗換駐車場の有料化についても、理解が得られたものと考えている。しかしながら、規制期間外の平均路上駐車台数が富士宮口で倍増したことに加え、来 年度は、世界文化遺産登録に伴う来訪者の増加も予想されることから、富士宮口では、海の日の連休以降連続52日間に、須走口では、来訪者の少ない平日を除く37日間に、それぞれ拡大し実施する。

 

 県としては、富士宮口と須走口のそれぞれの登山口ごとに設置している協議会において、合意形成を図りながら、マイカー規制の適正な運営に取り組むとともに、アクセス道路の整備等にも努め、周辺の自然と調和した安全で快適な富士山観光を支援していく。

 
 

7 富士山世界文化遺産登録について

 

富士山の世界文化遺産登録について、イコモスから、世界文化遺産推薦に係る追加情報の要請があった。その内容は、1つ目は、保存管理関係において、全体を広く、面的に管理していくこと、2つ目は、三保松原の除外、3つ目は、資産の名称変更についてであった。

 

文化庁では、地元自治体及び環境省や林野庁と協議の上、回答を作成し、提出するが、この内、三保松原の除外について、文化庁は、「是認できない」、と回答する対応方針とのことであるが、登録可否そのものへの影響について心配されるところである。

 

今回のイコモスの要請について、県としてはどのように考えているのか、伺う。

 
 

(川勝知事)

 

 5月上旬のイコモスの勧告を経て、6月にカンボジアのプノンペンで開催される第37回世界遺産委員会において、いよいよ世界文化遺産登録の可否が決定される。登録への道は、まさに9合目といったところである。

 

 イコモスの勧告は、世界遺産委員会の重要な判断材料となる。今回の追加情報については、富士山の顕著な普遍的価値や保存管理について、イコモスの委員の先生方の御理解を深めるための説明の機会をいただいたものだというふうに受け止めている。

 

 三保松原を外すようにとの要請もあったが、駿河湾越しに見える富士山の姿を借景とした文化的景観というべきものであり、三保松原と富士山とは一体のものであると考えている。

 

 偶々、見本として刷り上った「富士山百画」を1月末に横内山梨県知事とともにユネスコ、ラオ所長にお届けしたが、その絵には、三保松原と富士山とが一体となった絵がいくつも含まれており、こうしたことは、参考資料として極めて重要な判断材料になろうと思っている。

 

 日本人に最も愛されてきた景観である三保松原は、「芸術の源泉」としての代表的な展望地点であること は疑いがない。それとともに、富士山本宮浅間大社に「富士曼荼羅図」というものがあるが、これは三保松原から参詣曼荼羅として富士山の頂上に至る、それを 描いたものであり、まさに「信仰の対象」としても重要な場所であることが、これを通しても判る。

 

こうしたことを丁寧に御説明申し上げ、富士山の顕著な普遍的価値を証明する上で、三保松原もまた、不可欠な構成資産であることを御理解していただけるものと確信している。

 

 資産の名称については、「信仰の対象」及び「芸術の源泉」の両面を表現する、富士山にふさわしい名称を文化庁の方で御検討していただいている。

 

 我々としては、引き続き、文化庁を中心に、三保松原を含めた富士山の世界文化遺産登録に向けて、万全を期していく。

 
 

8 少子化対策の推進について

 

(1) 官民一体となった少子化対策の推進

 

安心して子どもを生み育てられる環境を実現するためには、県のみならず、社会全体で子どもや子育て家庭を支える仕組づくりに取り組むことが、重要である。

 

特に、企業が行う従業員の子育てへの応援が、本県の出生率の向上に寄与することも期待できると思う。

 

県においては、平成2310月に、「こうのとりカンパニー認証制度」を創設したが、現状の認証状況と今後の事業の進め方について伺う。

 

また、県内企業の先進的な取組を、他の企業に広げていく取り組みも積極的に行って欲しいと考える。

 

そこで、官民一体となって子育てを応援する仕組づくりのため、今後、県はどのように取り組んでいくのか伺う。

 

 

 

 

 

(2)待機児童の解消

 

待機児童は、昨年4月には、前年比4割、148人の増加で514人となり、過去3番目の水準となった。

 

国の調査によれば、子育て世代の所得分布は、軒並み低い所得層にシフトしており、この若い世代の所得の低下に伴い、働く女性が増え共働き世帯が増加していることが、保育ニーズの押し上げにつながっていると考えられている。

 

一方、待機児童の内訳では、3歳未満の低年齢児が多く、昨年4月時点で約8割を占めている。

 

また、特徴として、待機児童は、年度後半に向けて増える傾向にあり、特に0歳児については、その伸びが顕著である。

 

これに対応するためには、保育サービスの一層の量的拡充と、保育を希望する時期に、リアルタイムで保育サービスを享受できる環境の整備が必要である。

 

どのように取り組んでいくのか伺う。

 
 

(1) (健康福祉部長)

 

 核家族化が進行し、夫婦共働き世帯が半数を超える中、これまで進めてきた保育所の整備や子育て支援団体の育成に加え、企業による子育て環境の整備、推進が、少子化対策を進める上で大変重要であると考え、「こうのとりカンパニー制度」を創設し、この一年余で27社を認証したところである。

 

 認証を受けた企業からは、「従業員の仕事に対するモチベーションが上がった」、「子育てをしている社員同士が助け合う雰囲気が広まった」など、企業活動にも好影響を与えているとの御意見をいただいており、今後とも制度の普及と認証企業の増加を図っていく。

 

 さらに、来年度からは、中小企業団体中央会、商工会連合会、経営者協会、商工会議所連合会の経済4団体と連携して、従業員のライフスタイルに合った働き方や、子育てにも配慮した企業経営を推し進める企業を発掘し、県内外に発信するとともに、こうした企業をできる限り増やしてまいりたいと考えている。

 

 また、企業版の合計特殊出生率である「企業子宝率」という新たな指標を用いて、その数値が高い企業を「子育て応援企業」として評価し、称えることにより、その取組を促進していく。

 

 県としては、市町や子育て支援団体に加え、企業とも積極的に連携し、官民一体となった少子化対策の推進に努めていく。

 

(2) (川勝知事)

 

 女性の社会進出や共働き世帯の増加に伴い、本県においても予測を上回る保育需要が生じており、一旦減少した待機児童も、残念ながら政令市を中心に増加している。 これを受けて、浜松市は、2年後をめどに待機児童ゼロを目指し、静岡市も対応をされるものと期待している。

 

 残り33市町のうち、平成244月において21の市町で待機児童ゼロであり、残り12の市町の待機児童ゼロを目指すということになるが、昨年度から各市町に働き掛け、保育所等の定員増加に懸命に取り組んできた。その結果、保育所で815人、認定こども園で145人、認証保育所等274人など、今年の4月には、合計1,234人の定員増となる見通しである。

 

 さらに、昨年10月には、待機児童の発生している市町から成る「待機児童解消推進会議」を開催し、更なる保育所等の整備を促すとともに、「グループ型小規模保育事業」や保育ママの活用など、きめ細かな待機児童対策を強く働き掛けているところである。

 

 来年度は新しい取組として、施設整備に伴い必要となる人材を確保するために、まず保育士の処遇の改善を図るということを軸に、それに加え、年度途中における0歳児の保育需要の増加にも対応できるように、民間保育所に対する支援制度を創設することにした。

 

 待機児童の解消は、少子化対策の最重要課題というように考えており、今後とも市町とともに全力で取り組み、待機児童ゼロを目指していく。

 
 

9 求職者への実効性ある就職支援策について

 

本県の有効求人倍率は、0.73倍で、全国平均を6か月連続で下回っている。今春卒業予定の県内大学生及び高校生の内定率も改善に至っていない。

 

さらに、高齢者雇用安定法が改正され、本年4月から希望者全員の65歳までの継続雇用が義務付けられたが、55歳から64歳までの昨年12月の完全失業率は高く、失業中の方がやむなく生活保護を受給したり、若者がフリーターやニート化したりするなどの状況に追い込まれている。

 

様々な求職者の方々が、早く就職できるよう、実効性のある就職支援策に、どのように取り組んでいくのか伺う。

 
 

(経済産業部長)

 

 県では、来年度、離職者を対象とした「求職者総合支援センター」、新卒者・若者などを対象とした「ヤングジョブステーション」など、現在分散している就労支援機関の施設と機能を1か所に集約した「しずおかジョブステーション」を沼津、静岡、浜松の県内3か所に新設し、ハローワークの求人検索機と職業紹介機能も併設し、ワンストップで相談から就職までの一貫した就労支援を行っていく。

 

 この機関では、最初に総合案内で相談内容を把握し、若年者、高齢者等の世代や生活環境など個々の事情 に応じ、ヤングジョブ相談、シニア応援相談などを実施する体制を整備、きめ細やかなカウンセリングを行う。また、個々の就労支援機関が独自に実施してきた 就職セミナーを、一つの体系にまとめることにより、求職者が自分のレベルに合ったセミナーを受講できるよう工夫するなど、求職者にとって利便性が高く、就 職に直結する多様な支援を展開していく。

 

これに加え、様々な世代を対象に、就職面接会を20回開催するほか、求人の多い福祉介護の仕事について、講義形式で学び、その後現場を見学するセミナーを21回開催するなど、労働局、関係機関と連携し、一人でも多くの求職者が就職できるよう実効性ある就職支援に全力で取り組んでいく。

 
 

10 ふじのくにの「都」づくり推進について

 

 (1)「食の都」づくり

 

本県は、「食材の王国」であり、着実にふじのくに「食の都」が形づくられてきた。

 

昨年4月に開通した新東名等5つの高規格幹線道路を、「食の都大路」と名付け、清水パーキングエリアで「軽トラ市」を開催するなど、新たな取組を進めているが、これまでの成果と、今後どのように事業展開を図っていくのか伺う。

 

   一方、本県でも秋葉原にアンテナショップを開設するが、どのようなコンセプトで、どのように県産品の情報発信や更なる市場開拓を進めるのか伺う。

 

さらに、スペインの「サン・セバスチャン」は、世界に誇れる食材やレストラン等を育成し、「食材の宝庫」、「美食世界一の街」と言われているが、本県も、A級、特A級グルメ・四つ星、五つ星レストランの都として全世界に発信することも考えられる中、海外にどのように「食の都」をアピールしていくのか伺う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 (2)「茶の都」づくり

 

本県の茶業は、生産の40%、流通の60%を占める、日本一の大産地である。

 

お茶は、ピーク時には国内生産の8割にあたる約3万トンがアメリカを中心に輸出され、明治維新を機に、日本の輸出を担うグローバルな花形産業として発展し、本県では、昭和30年以降には、首都圏の嗜好に合った「深蒸し茶」を開発するなど、常に日本の茶業界をリードしてきた。

 

本県には、生活の中にお茶が深く根付いており、子供から高齢者まで、お茶を楽しむ、まさに「日常茶飯」が生きている。

 

また、中国浙江省・杭州市では茶文化が根付いているが、今後、日本一の「茶の都」の地位を確立し、世界に発信していくための取り組みを伺う。

 
 

(1) (経済産業部長)

 

 県では、平成22年度から「食の都」づくりに積極的に取り組んでおり、しずおか食セレクションを始め、「食の都 仕事人ウィーク」は、これまで9回、延べ1,118人の仕事人の参加を得て、四季を彩る食のイベントとして県民の皆様に定着しつつある。また、仕事人の食を味わうツアーを、首都圏の観光業者が商品開発するなど、新たな観光資源としても注目を集めている。

 

 今後は、こうした取組を一層加速することとし、先日グランシップで開催した「農芸品フェア」を、来年度は、浜松市で開催を予定するとともに、5つの大路ごとに仕事人や直売所に関する情報を掲載したマップを活用したポイントラリーを開催するなど、「食の都大路」を訪れた方々を地域へと誘い、「食」の魅力を県内外の皆様に伝えていく。

 

 また、来年度は、新たな取組として、生産者団体と連携をしながら、東京の秋葉原に県産品のアンテナ コーナーを設置することとしており、本県が誇るブランド商品などの試食やテスト販売を行うとともに、本県のお茶の魅力を伝える有楽町の東京観光案内所とも 連携して、「食の都」の情報発信と県産品の市場開拓を進めていく。

 

 海外へのアピールについては、静岡市内に料理店を開店した、フランスで修行し、東京で活躍されていた シェフや、東京の椿山荘で行った県のトップセールスの際に講師としてお招きをした、スペインで修業されたシェフなど、本県出身で世界的にも有名な皆様の力 をお借りし、ふじのくに「食の都」を海外に向け情報発信していく。

 

更に、政府において、日本食文化をユネスコ無形文化遺産に申請したことから、こうした動きに合わせ、米や茶、魚などの食材が多彩で豊富な、本県特有の和食文化の創造にも、新たに取り組んでいく。

 

(2) (知事)

 

茶の文化の起源地である中国で唯一「茶都」と称しているのは、本県と友好提携関係にある浙江省の省都、杭州である。 

 

静 岡県を含んで日本には、狭山の茶処、宇治の茶処等があり、本県も茶処のひとつというように自称してきたわけであるが、狭山茶をもって埼玉県が茶都とは言わ ない。あるいは、宇治が茶処であるからといって京都全体が茶都であるというふうには言わない。しかしながら、本県は、西は浜松から東は御殿場に至るまで、 また北は川根本町から南は御前崎に至るまで、県全域でお茶を生産し、生産量4割、生産額45分、流通量全国の6割、さらに、平均消費量は日本全体の平均の2倍であり、文字通り、「茶都」、「茶の都」と称してふさわしい場の力を持っている。

 

さらに、東部地区には茶畑と富士山のすばらしい景観もあり、大正期にすでに「山は富士 お茶は静岡 日本一」といわれるような標語もこうした景観から生まれたものである。

 

本 県一の茶産地牧之原地域には、県茶業研究センター、国・民間の研究機関、茶の文化施設が集積しており、川根から御前崎に至る「ティーロード」というふうに 言っていた所は、今「茶の都大路」と評しているが、そうした「茶の都大路」が縦断するなど、本県は、まさに、「茶の都」としてふさわしい多彩なお茶に関わ る資源を有している。

 

 また、掛川市周辺は茶園にススキやササなどを投入し、茶の生産と生物の多様性が一体的に保全されている「茶草場農法」として知られ、昨年12月に、「世界農業遺産」登録に向け、国連食糧農業機関へ申請したところである。先週には、現地調査が実施され、私自身もFAOから派遣された研究員の方々、また、国連大学の副学長以下関係者とお目にかかり、親しく意見を申し上げたところである。本年5月に石川県で、今回の現地調査を踏まえて開催される国際会議で審査が行われる予定である。

 

 さらに、昨年開催された「全国お茶まつり」で、お茶の機能性・効用に関する調査研究や情報を全国に発信した。また、本年4月から、県内の大学、茶業団体、県が一体となって、静岡県立大学に「茶学総合講座」が開設され、茶の機能性、疫学に関する研究、新しい茶と素材開発に関する研究などに取り組まれることになっている。

 

 これらの取組に加え、県では、静岡文化芸術大学学長の熊倉先生を座長とした「茶の都しずおか構想検討 会」を今年1月に立ち上げ、県内のお茶の歴史、文化、産業に関する資源の調査結果などと併せて、「茶の都」のイメージなどについて議論を進めていただいて いる。今後、更に御議論をいただき、来年度には「茶の都」構想を策定したいと考えている。

 

 52日から開催される第5回世界お茶まつり「春の祭典」においては、新緑の茶園を眺めながらの茶会や、茶畑の散策、茶産地を訪ねるツアーなどを実施し、お茶を楽しむスタイルを提案していく。「秋の祭典」には、「秋の祭典」のプログラムが用意されている。

 

 これらの取組を通じて、関連団体と連携をしながら静岡茶のブランド力の向上を図り、国内外に向けて「茶の都 しずおか」の魅力を情報発信していく。

 
 

11 公共土木施設の点検について

 

昨年122日の中央高速笹子トンネル天井板崩落事故は、中日本高速道路では、老朽化が事故に繋がった可能性がある、としており、全国の道路管理者においては、緊急点検が行われた。

 

幸い、静岡県が管理するトンネルにおいては、異常はなかったが、本県では、建設後、既に50年以上経過している公共施設が数多く存在し、今後さらに増加する。

 

今回の事故を受け、今後施設の点検をどのように行っていくのか、県の考えを伺う。

 

  一方、国土交通省の調査によれば、国内の全市町村で、トンネルの管理方法等を定めたマニュアルがないことが判明し、また、土木技術職員も不足しており、対応ができていない現状が明らかとなった。

 

県として、市町の支援について、どう考えているのか、伺う。

 
 

(交通基盤部長)

 

 県では、これまで道路・河川・港湾など工種ごとの点検要領等に基づき、パトロールを含む日常点検や定 期点検により、施設の適切な維持管理に努めてきたが、笹子トンネルの事故を受け、県管理トンネルの換気設備の緊急点検を実施し、現在、その他の照明や標識 等の付属物についても、点検を行っているところである。

 

 更に、国の緊急経済対策による予算を活用し、橋梁や道路の法面、河川の水門など、県民の安全安心に直接関わる施設について総点検を前倒しして行う予定であり、点検の結果、緊急に補修が必要な個所が発見された場合には、速やかに対策を講じていく。

 

 市町に対しては、土木技術職員不足への支援を行うため、今月20日に「社会資本長寿命化・市町サポート窓口」を設置するとともに、民間の専門家等で構成する「ふじのくに建設技術エキスパート」による技術支援や、社会資本の長寿命化計画策定などの支援を行っていく。

 

 県としては、公共土木施設の点検の重要性を踏まえ、今後も市町と連携し社会資本の確実かつ適切な管理を行い、県民の安全安心の確保に努めていく。

 
 

12 災害対策について

 

(1)4次地震被害想定の中間報告に伴う地震対策の見直し

 

本県では、これまで平成13年度に策定した第3次地震被害想定をもとに東海地震対策・津波対策を行ってきたが、これでは、県内における死者数の5,851人中、津波による死者はわずか227人であった。しかし、昨年の内閣府の試算では、最悪で10万人余の方が津波で亡くなるという、ショッキングな数字が示された

 

  今月13日、県は第四次地震被害想定の中間報告を行ったが、これまでの東海大地震対策の蓄積がどのような点に活かされているのか、また、今回の中間報告を受け、どのような点を変えていくべきなのか伺う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(2)富士山の噴火対策

 

富士山の噴火対策については、平成16年度に、噴火危険区域を示したハザードマップを作成し、平成19年度には、噴火警戒レベルの導入を進め、昨年6月には、静岡、山梨、神奈川の3県と関係機関からなる「富士山火山防災対策協議会」を設立し、地域ごとに綿密な防災対策を検討しているが、先日の静岡県防災・原子力学術会議の地震・火山対策分科会と津波対策分科会の合同会議において、本県側の避難対象となる人口が56万人と提示されたことが報道された。

 

富士山の噴火は、交通大動脈の分断による日本の経済活動に与える影響なども大きく、噴火を想定した対策の実行は、大変重要なことと考えるが、県としてどのように富士山噴火対策を検討しているのか、また、今後どう進めるのか伺う。

 
 

(1)(川勝知事)

 

 本県では、35年余にわたり東海地震対策を県政の最重要課題に位置づけて、戦略的に地震・津波対策を推進してきたが、東日本大震災を機に、新たに千年から数千年に一度、まれながら発生が想定されうるレベル2の地震・津波対策を対象に加えざるを得なくなり、これを加えた地震被害想定を今、策定中である。津波の浸水域の拡大による大幅な被害の増加や、西日本全域が被災する超広域災害が想定され、その対策が必要になるということである。

 

 本県がこれまで推進してきた、建築物の耐震化や津波からの迅速な避難の体制確保、各御家庭における「自助」の取組、地域防災を担う「共助」の要となる自主防災組織の強化など、東海地震対策は、地震・津波対策の基本であり、レベル2の地震・津波対策にも有効であると確信している。

 

 今後は、こうした対策の着実な推進に加え、津波から避難するための施設の一層の確保や、津波が乗り越 えても壊れずに粘り強く機能を発揮する防潮堤への改良、津波からの早期避難の意識を徹底すること、さらに、食糧等の家庭内備蓄の強化などハード・ソフト両 面の対策を実施していく。

 

こうした対策を講じることにより、レベル2の地震・津波が発生した場合であっても、できうる限り被害を軽減し、一人でも多くの県民の方々の命を守るように取り組んでいく。

 

(2)(危機管理監)

 

 昨年6月に「富士山火山防災対策協議会」を設置し、富士山が噴火した場合に備え、市町村や県を越える広域的な避難計画を、山梨・神奈川の両県と連携して検討しているが、これまでの検討では、溶岩流などから住民を避難させるため、地形を参考に富士山を17の流域に区分し、「富士山ハザードマップ」や気象庁が発表する「噴火警戒レベル」を組み合わせて、溶岩流などの到達時間に応じて避難区域を拡大するとの基本的な方針を固め、本県内で合計約56万人となる避難対象者数を明らかにした。

 

 今後は、三県や関係市町村による避難対象者の受け入れ先の調整を行い、本年夏を目途に開催する第2回協議会において広域避難計画を策定し、県民の皆様に公表していく。

 

 さらに、来年度には、輸送手段やルートについて広域避難の図上訓練を行うほか、9月に富士市・富士宮市で開催される総合防災訓練で実際に避難を行い、計画を検証した上で、26年度には、三県合同の避難訓練を実施するなど、三県、国、関係市町村等が連携し、広域避難計画の実効性を高めるとともに、火山灰対策や砂防対策などを含めた総合的な富士山の噴火対策を進めていく。

 
 

13 教育行政について

 

(1) 静岡式35人学級編制

 

政府は、次年度からの5箇年間で、公立小中学校の教職員定数を26700人増加する計画の実施を見送る方針を決めた。

 

これにより、静岡式35人学級編制につて、次年度予定していた小学校3年生への国による教員の加配措置が実現不可能となったが、本県はこれを実施する。

 

静岡式35人学級編制については、子どもや保護者から評価の声がある一方、教員の負担増や多忙化に繋がっている、という指摘もある中、平成25年度以降の静岡式35人学級編制についてどのような方向に展開していくのか教育長の所見を伺う。

 

 

 

 

 

(2) 学校部活動の課題

 

学校部活動は、生徒の人格形成や人間性を高める場として重要であり、心身の発達においても重要な役割を果たす。また、部活動での生徒の活躍は、県民の元気創出という観点からも注目されている。

 

しかしながら、生徒の希望する種目の部が学校に設置されていなかったり、専門的な知識・技能等を有する顧問が異動してしまうこと等により、生徒・保護者のニーズに十分対応できず、部員数が減少し、部廃止という状況に陥る学校も生じるなど、課題もある。

 

部活動顧問の資質向上、専門講師配置等の環境を整えることが必要と考えるが、どのように対応していくのか伺う。

 

(3) 学校における体罰

 

一方、昨年12月に、大阪の市立高校で、バスケット部の主将が部活動の顧問から体罰を受け、自殺する、という事件が起きた。

 

  報道によれば、学校側の対応も閉鎖的で、隠蔽体質であったようである。

 

  県においては、これまで学校における体罰に対して、どのような認識で、どう指導してきたのか、また、今後どのように対応するのか伺う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(4) 高等学校における発達障害等の生徒支援

 

文科省の調査によれば、全国公立小中学校の通常学級において、発達障害を持つ児童、生徒が6.5%在籍していることが判明した。35人学級、1クラスでは23人いる、という状況であり、特別支援教育推進体制の充実を図ることが求められている。

 

発達障害児への支援は、幼稚園、小学校、中学校、高校へとつないでいくことが重要であり、中学校において支援が必要であるとされた生徒が高校に進学していることから、高校段階でも一貫した教育支援を継続して行っていくことは極めて重要であると考える。

 

本県では、昨年度から旧周智高校において、モデル事業として新たな試みが実施されてきたが、今後どのように取り組んでいくのか、教育長の所見を伺う。

 
 

(教育長)

 

 文部科学省の少人数学級の推進計画は、実施を見送ったが、本県が重要施策として平成21年度から取り組んできた「静岡式35人学級編制」は、県単独の加配教員を新たに措置することにより平成25年度に完成する。

 

少 人数学級となったことにより、授業で積極的に発言する子どもが増え、一人ひとりの存在感が大きくなったなど、その良さを実感する学校現場からの声が届いて いるが、一方、ご指摘の、教員の負担増や多忙化については、担任外の教員が少ない小規模の小学校を支援するために非常勤講師を増員するなど解消を図ってい く。

 

 今後は、市町教育委員会や学校と連携して、成果の検証を一層進めるとともに、少人数学級における学習指導の充実のための教員配置や各学校にとって有効となる支援策について検討を進め、「静岡式35人学級編制」の充実を目指す。

 

また、国の35人学級編制が義務教育全学年で実現されるよう、引き続き文部科学省に対して要望していく。

 

(2)

 

 県教育委員会では、部活動は生徒の人格形成に資する重要な学校教育活動であると認識しており、生徒の興味・関心、適性等に応じて、指導に必要な知識・技能を有する教職員等から、適切な指導を受けることができる部活動の推進が重要であると考えている。

 

 現在、「スポーツエキスパート及び文化の匠派遣事業」による専門的外部指導者の派遣や大学生ボラン ティアの活用の取組に加え、今年度から高等学校へ部活動指導の非常勤講師を配置するなど、指導体制の充実に努めており、さらに、指導経験の浅い顧問を対象 に、効率的で科学的な指導方法や、安全・人権に関する研修を実施しているところである。

 

 今後も、外部指導者などの活用を推進するとともに、県中学校・高等学校体育連盟や地域のスポーツクラブ等と連携し、部活動顧問研修の充実を図るなど、生徒が資質・能力を十分伸長し、充実感を味わえる部活動の体制づくりに一層努めていく。

 

(3)

 

教職員による体罰は、児童生徒の人権及び人間としての尊厳を損なう行為であり、断じて許されるものではない。

 

 県教育委員会では、主催する研修会や校長会など、これまで機会あるごとに体罰の根絶、児童生徒の人権 尊重について指導し、また、「体罰の根絶に係る留意点」や「部活動指導における留意点」を学校に通知し、生徒指導時における体罰防止の具体的な指針を示し てきた。さらに、研修資料「信頼にこたえる~不祥事根絶のために」においても体罰問題を取り上げ、教職員としての行動規範や根絶に向けてのチェックポイン トを示し、学校現場における体罰根絶に向けた取組を継続的に進めている。

 

 しかしながら、このような取組の中、先日、浜松商業高校において、複数の部活動顧問による体罰の事実が判明したことは誠に遺憾であり、生徒、保護者の皆様、県民の皆様に深くお詫び申し上げる。

 

 現在、文部科学省からの「体罰禁止の徹底及び体罰に係る実態把握について」の通知を受け、すべての教職員、児童生徒、保護者を対象に調査を実施しているところであり、今後、この調査結果を踏まえ、教育現場における体罰の根絶を一層徹底していく。

 

(4)

 

 旧周智高等学校におけるモデル事業では、受講生徒の満足度が高く、教員や保護者からは、学校や家庭での生活に改善が見られたとの意見も多数あり、一定の成果を収めたものと考えている。

 

 発達障害等の生徒は、県内のほとんどの高等学校に在籍している現状から、来年度はモデル事業の成果を踏まえ、対象生徒を集めて行う専門的な支援とともに、各高等学校における支援を充実していく。

 

 専門的な支援としては、旧周智高等学校で行ってきたコミュニケーションスキルを習得する講座を、静岡 中央高等学校の通信制課程のシステムを活用して開講するほか、静岡中央高等学校東部キャンパスにおいても同様の取組を開始する。また、各高等学校における 支援に関しては、巡回相談の充実による学校支援、教職員の意識の啓発、生徒向け支援教材活用の推進役となる教員の養成研修などに取り組んでいく。

 

 本県の高等学校における発達障害等の生徒支援の取組は、全国に先駆けたものであるが、県内全域での支援実施や進学・就職に向けた円滑な接続等の課題も認識しており、今後も取組の検証、改善に努め、一層の充実を図っていく。

 

 

 

14 サイバー犯罪対策について

 

  昨年、他人のパソコンをウイルス感染させ、遠隔操作を可能とすることにより、他人になりすまして脅迫メールや殺人予告のメールを送りつける事件が発生した。

 

  また、この事件で、警察は、4人を誤認逮捕する失態を起こす結果となった。

 

 警察庁が公表した「平成24年度上半期のサイバー犯罪の検挙状況」によると、サイバー犯罪の検挙件数等は、過去最高の件数に上っており、コンピュータウイルスに関する相談件数は、285件で、約80%増加している状況にある。

 

  今回の事件は、県内ユーザーにとって大きな脅威となっている中、本県におけるサイバー犯罪の現状と併せ今後のサイバー犯罪対策への取り組みについて伺う。

 
 

(警察本部長)

 

本県における平成24年中のサイバー犯罪の検挙件数は、前年比93%増の185件であるが、現在まで、問題になった遠隔操作ウイルス等による悪質なサイバー犯罪の発生は認知していない。

 

 今後のサイバー犯罪対策への取り組みとしては、対処能力を強化するため、平成24年度に7人増員したサイバー犯罪対策室を、平成25年 度にも所要の増員を行うなど、体制の強化を図っていく予定であり、また、即戦力となる情報処理に関する国家資格を有する者やシステムエンジニア経験者等、 優秀な人材を採用し、サイバー犯罪対策室に配置するとともに、今回のような事件の発生を見越して、複雑困難な事件経験の豊富な警視庁へ、常時、捜査員2人 (毎年)を長期派遣するほか、複数の県警と合同捜査を組み、先般も首都圏を中心に発生したフィッシングサイトによりクレジットカード情報を盗用した事件を 解決するなど、全国のリーディングケースとなる事件経験を積むことで、サイバー犯罪に対する捜査員の実力の向上に努めているところである。

 

 その他、「静岡県インターネットプロバイダ生活安全協議会」及び「静岡県インターネットカフェ協議会」等、民間事業者等との連携も図り、サイバー犯罪対処能力を強化していく。

 

 

 

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2013年3月 3日 (日)

県議会代表質問

25227daihousitumon 県議会2月定例会本会議において、2/27(水)午後1時30分から、会派代表質問を行いました。知事の政治姿勢から始まって、教育、警察問題まで、大項目で14、小項目では20を超える質問でしたが、今回は、知事任期最後の集大成となる時期の質問でしたので、総合計画やマニフェストの進捗、次年度当初予算編成などの項目も質問に入れました。全体として、教育問題の中で、静岡式35人学級編成に係り、現場の学校が抱える課題について、教育長から教員配置や学校支援策について検討を進める、との答弁をいただくなど一応評価できるものでありました。なお、代表質問の質問時間は、45分以内と決まっており、原稿作成の時点から、今回は、ちょっと長いな、と思っていましたので、脇目もふらず、ひたすら原稿の読み上げに集中していましたが、結果的には、残り13秒と、すれすれセーフでした。

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2007年2月25日 (日)

2月定例会一般質問概要

平成19年2月定例会 一般質問概要(223日)    池谷 晴一

                                   
 

質問概要

 
 

答弁概要

 
 

1 県東部・北駿地区の市町合併について

 

  県合併審議会の答申では、沼津市を中心に33町で中核市を目指すことになっているが、北駿地区の課題、歴史、生活圏等を勘案すれば、御殿場市、裾野市、小山町に更に南駿を加え、人口20万人の特例市づくりが先である。審議会の答申に係る関係市町の理解が進まない要因と今後の対応を伺う。

 

また、合併新法による合併しない市町への知事勧告について伺う。

 
 

(知事)

 

 東部の中核市を目指す組み合わせに、東部・北駿地区の首長の共通理解を得られないことは承知しているが、中核市の実現については、経済界の動きがある。仮に答申と異なる組み合わせによる合併協議が進展する場合には、適切、柔軟に対応していく。

 

 なお、勧告については、審議会や関係市町の意見も踏まえ、個別に判断していくこととなるが、勧告する手段が未整備でもあり、勧告するつもりはない。むしろそういう方向に誘導していく施策を考え、実行する方が良い。

 
 

2 F1日本グランプリについて

 

  本レースは、世界約170カ国でテレビ放映され、年間で延べ約28億人が視聴する人気スポーツである。このチケットは、「チケット&ライド」方式で販売され、期間中28万人、最終日は14万人の来場が見込まれているが、当地域の交通はマヒ状態となり、地域経済活動は停止、生活道路も遮断される。知事はこのレースの名誉総裁となったが、以下について伺う。

 

 (1) 交通対策

 

ア 道路整備

 

東名、中央高速、国、県、市町道との有機的連結、スマートIC設置等道路交通網の再構築、緊急道路整備についての対応

 

イ JR御殿場線の利便性向上

 

JR御殿場線の輸送力増強、利便性向上に積極的に取り組む必要があるが、その対応

 

(2) 世界に発信する地域振興策

 

本レースは、自動車のワールドカップとも言える世界的なイベントである。本レースを核とした利域振興策について

 
 

(1) 交通対策

 

ア 道路整備(土木部長)

 

県では、県道の拡幅や交差点改良を実施している。また、駐車場への誘導方策等について、主催者と連携、実施する。今後も、新東名、国道、県道などの整備を始め、足柄サービスエリアを活用したスマートインターチェンジ構想の具体化にも努めていく。

 

 イ JR御殿場線の利便性向上(企画部長)

 

  主催者のよると、4万人が鉄道を利用する計画となっており、これを契機にJR御殿場線の輸送力増強に繋げていくことが重要である。現在、国や沿線市町と協力して御殿場線の利用状況や観光資源等について調査を進めており、この結果を基に、事業者に対し運行本数増加など利便性向上を働き掛けていく。

 

 (2)世界に発信する地域振興策(知事)

 

FIは、本県の魅力を発信し、地名度を高め、富士山静岡空港をアピールするなど大きな効果がある。宿泊観光客の誘致や県産品の販売、地産地消など地域の活性化に結びつくよう取り組んでいく。

 
 

3 公共交通施策と都市計画制度について

 

   京都議定書が発効したが、温室効果ガスは減少せずに増加している。削減のためには、自動車交通重視施策から公共交通重視施策への転換が必要である。そのためには、現在の民間任せ、利益優先の公共交通体制を転換し、都市計画制度の中に公共交通施策を包含した新たなスキームが必要である。所見を伺う。

 
 

(都市住宅部長)

 

温室効果ガスの削減対策として、自動車から電車、バス等公共交通への利用転換を図ることなど、公共交通施策との連携が都市計画としても重要であると認識し、行政とバスや鉄道事業者が参画する協議会でパーソントリップ調査を実施している。この調査を基に、都市計画マスタープランを定めているが、都市計画制度は、土地利用や都市施設の整備を定めるものであり、事業経営に関わることを定めることはなじまない。

 
 

4 富士山火山防災対策について

 

  富士山は、世界文化遺産暫定リスト追加候補に選定された。地元との連携、調整を的確に図り、課題を解決し、本登録に向けた一層の努力を期待するが、一方、富士山は活火山である。長期的視野に立てば、富士山噴火に係る緊急避難対策や早期復旧対策、地震予知体制の強化、県民意識啓発なども必要である。対応を伺う。

 
 

(総務部長)

 

富士山周辺の4市1町では、平成17年度に富士山の火山防災計画を策定した。国においても平成182月に富士山火山広域防災対策基本方針を定めた。今後とも国に対し予知監視体制の整備、充実を働きかける。来年度から、火山情報に応じた具体的な交通規制方法を検討し住民が円滑に避難できる体制整備に取り組む。また、引き続き県民意識の啓発に努め、万一の火山活動に備える。

 
 

5 富士箱根伊豆交流圏への外国人観光客誘致について

 

  昨年1026日に山梨、静岡、神奈川の3県知事により、初の山静神三県サミット宣言が採択され、また、1130日には圏域市町村ネットワークが、国、県との連携を図りながら観光交流を促進することを宣言した。富士山静岡空港の開港、羽田空港の再拡張、国際化などを捉え、国と山梨、静岡、神奈川3県及び圏域32市町村の連携により、富士箱根伊豆交流圏域への外国人観光客誘致施策が必要である。対応を伺う。

 
 

(生活文化部長)

 

富士箱根伊豆国際観光テーマ地区推進協議会は、2015年に、外国人観光客を155万人誘致することを目標に様々な誘客対策を展開している。これからウエルカムカード(外国人割引カード)の発行に加え、F1日本グランプリやユニバーサル技能五輪などを活用し、国及び交流圏域の32市町村と連携して取り組む。また、本県は富士山静岡空港の開港を控え、地域限定通訳案内士の育成や観光案内看板の多言語標記などを整備し、多くの外国人観光客誘客拡大に努める。

 
 

6 これからのまちづくりについて

 

(1) 都市計画法の運用

 

現在の中心市街地の衰退は、都市計画制度運用の過りにも起因している。これからのまちづくりには、都市計画と税体系、交通対策、環境対策などを連携させた抜本的な対応と地元市町、商業者の自助努力を誘発する施策が必要である。都市計画法の運用について伺う。

 

(2) 市街化調整区域の持続的発展

 

自然環境に優れ、かつ、生活基盤も整備され、静かな調整区域に住みたい、田舎がいい、という人も多い。また、人口減少に悩む既存集落もあり、市街化調整区域について、住環境整備、持続的発展策も必要である。団塊世代の大量退職も控える中、線引き制度の廃止も合わせ、所見を伺う。

 
 

(都市住宅部長)

 

 (1) 昨年5月に改正された都市計画法は、コンパクトな都市構造の実現を目指している。本県においては、市町と連携し、無秩序な都市機能の拡散に歯止めをかけ、大規模集客施設についても地域の判断を反映した適正な立地を図る。

 

 (2) 線引き制度の運用については、道路、下水道等公共施設整備や農林業との調整に配慮し、対応してきており、維持する必要がある、と考える。調整区域内の開発については、既存集落内等で可能であり、地域の実情を勘案し適切な運用を図る。大規模開発については、市町の定める地区計画制度により可能であり、市町と連携し対応する。

 
 

7 ハンセン病に係る施策について

 

  全国には国立ハンセン病施設が13、私立施設が2あり、約3,100人の皆様が入所されている。御殿場市にも国立、私立の2施設があり、135人が入所されている。ハンセン病に係る人権侵害を風化させず、歴史を後世に残すための資料保存及び施設の将来計画について伺うとともに、入所者が幸せな余生を送るための施策について伺う。

 
 

(健康福祉部長)

 

 これまでハンセン病回復者との話し合いにより、住宅や医療対策などについて取り組んできた。資料の保存については、皆様の意向を伺い検討する。施設の将来計画についても、開設者である国の動向等を注視し、対応する。県では、国体開会式や浜名湖花博、ねんりんピック総合開会式などにご招待をしているが、今後も、皆様が孤立、孤独に陥ることなく幸せな生活を送ることができるよう積極的に取り組む。

 
 

8 教育行政について

 

(1) 学校部活動の活性化

 

子供たちの人間性の醸成、道徳心の涵養等を図るためには、学校部活動を促進すべき、という根強い意見がある。  部活動の課題である教員の異動に対応し、技術指導を補完するためには、教員の技術取得、向上研修や社会教育との連携、融合策が必要である。対応を伺う。

 

(2) 学校評議員制度

 

学校評議員制度は、学校外から新鮮な活力を吹き込み、社会教育との融合を進め、子供たちの教育に多大な効果をもたらすことができるが、制度が形骸化している、という指摘がある。

 

現状の課題、問題点をどう捉え、そして、どのように制度の効果を上げていくのか伺う。

 

(3) 生涯学習の推進施策

 

生涯学習社会の構築は、学習者自身の自己実現のみならず、地域社会の活性化や高齢者の健康保持など社会・経済の発展にも寄与する。生涯学習推進施策について伺う。

 
 

(教育長)

 

(1) 運動部活動は、運動の楽しさや喜びを味わい、子供たちの心と体を大きく成長させるものであり、学校における教育活動の大切な柱である。県では、指導者養成事業の他、運動部活動指導者研修会の開催や地域の有能な外部指導者の活用などを通じて、指導者の資質向上を図っているが、今後も、地域との連携促進を図りながら活性化に努める。

 

(2) 学校の情報公開、説明責任が進み、地域の声が学校運営に反映されるなど成果があるが、一方、評議員の学校訪問回数が少ないことや評議員間の連携がとれず評議員の声を結集しにくい、との声がある。今後、評議員の学校訪問回数の増加や連携を深める場の設置により学校の実態を把握できるようにし、外部評価の仕組みの整備について、市町教育委員会や学校に指導する。

 

(3) 県では、教育委員会と知事部局が一体をなって、生涯学習社会を生きる人の育成を目指しており、本年1月から企業やNPOの持つ学習資源を活用するシステムを稼働させた。今後も積極的に取り組む。

 

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2005年10月11日 (火)

17年6月議会

質問及び答弁内容
質問項目 答  弁

1 知事の政治姿勢について

(1)  4期目に挑戦する知事の基本姿勢
 3期12年の総括と4期目に向けた知事の基本姿勢を伺う

(石川知事)
 製造品出荷額の増や県民所得向上など県の元気を出すことができた。安全、安心、くらし満足度など10項目で日本一を目指し、県の豊かさを維持、発展させていく。

(2)  外交摩擦と国際交流
 小泉首相の靖国参拝、竹島、教科書問題等により中国や韓国との外交摩擦が続いている中、中国・浙江省等近隣諸国との交流にどのように対応するのか伺う。

(大村生活文化部長)
 中国、韓国とは長年に亘って交流を重ねていた結果、反日活動の影響を受けていない。8月の世界少年サッカーには、浙江省、済州道の選抜チームが参加する。今後も、民間、市民レベルの国際交流が進展するよう情報提供や交流の橋渡しに努める。

(3)  憲法改正
 衆参両院の憲法調査会の最終報告を経、憲法改正の議論が高まっている中、全国知事会においても改正に係る特別委員会を設置するようである。現時点における知事の基本的な考えを伺う。

(石川知事)
 国、地方を通じた内政構造改革の議論をしていただきたい、と思っている。今後、憲法と個別の法律のどちらで規定するのが適切であるか、という視点も持ち、意見を述べていく、全国知事会の特別委員会には参画して参りたい。

2 指定管理者制度について

 県、市町村において、指定管理者制度の導入が進んでいるが、県民は民間のノウハウ導入により公共の管理から脱却した真に使いやすい施設への転換を願っている。導入による県民サービス体制の変化と県民の利便性向上について伺う。
 更に、各施設における導入成果を、事業者、県民にどのように理解してもらうのか伺う。
 また、指定管理者が民間企業となった場合、ボランティアが違和感を覚えることもあるが、指定管理者制度とボランティアに対する所見と対応を伺う。

(橋本総務部長)
 ふじさんこどもの国は、過去最高の入場者数で実績を挙げている。指定管理者に期待する成果などについては、募集要項に明示し、HPや広報誌等を通じて周知することにより、幅広い団体の参加と創意工夫による提案を得る。
 これからの住民サービスは、行政のみでなく、ボランティアやコミュニティ組織、NPOなどとの協働、連携が重要である。例えば、指定管理者選定の審査項目の一つに、ボランティアや地域の人材の活用提案を入れる、など工夫していく。

3 少子化対策について

 国は、少子化に対応する施策展開と予算投入を行ってこなかったため、少子化に歯止めをかけることができなかった。また、時々出生率向上市町村の報道もあるが、少子化対策は基本的に国が責任を持って実施することである。少子化対策に係る次の課題を伺う。
 (1)少子化対策に係る国と地方の役割分担は
 (2)認可外保育施設への支援策は
 (3)母子家庭、父子家庭への自立支援策は

(石川知事)
(1)国は、税制など経済的支援の一層の充実を図り、県は、企業や県民の力を借り、地域の実態に即した施策立案の役割と責任を担い、更に、市町村と一体となって実践する。

(川口健康福祉部長)
(2)認可外保育施設は、地域の重要な保育資源と考えている。本県独自の支援策「多様な保育推進事業費助成」事業により支援を行う。
(3)特に、母子家庭については、経済的支援、保育サービス、家庭へのヘルパー派遣事業や就職訓練講座への助成制度創設、自立支援センターの設置等実施している。今後も、ハローワークや市町村、関係団体と連携し、支援していく。

4 富士山をめぐる諸課題について

(1)富士山の世界遺産登録を進めるためにNPOが設立され、知事は役員となったと聞いている。富士山の環境保全等が図られ、素晴らしいと思うが、一方麓には演習場があり、また、登山者も多い。登録の意義や期待、規制等についての考えを伺う。

(石川知事)
(1)直接登録される核心地域と、この地域を保護する緩衝地帯の設定が必要であり、適切な立法、規制措置などにより確実な保護管理が行われなければならない。周辺市町や山梨県との合意形成を図り、国民会議や国と連携し、登録に向けた取組を推進していく。近々のうちに、両県で文部科学省、文化庁に登録の意思表明をする。17.18年度に文化庁の助成金を得、富士山の保存管理計画を策定し、県民、国民の幅広い関心と協力、賛同をいただき、進めていく。

(2)昨年10月に富士山測候所が無人化されたが、地球温暖化、大気汚染観測等自然科学、環境科学等の分野で測候所の果たす役割が注目されている。富士山測候所の有効活用についての考え方を伺う。

(花森企画部長)
(2)気象庁が主催する検討委員会で、本県と山梨県の共同提案による極地高所研究拠点としての活用を、検討していくこととなった。高所研究の成果は世界に貢献できると考えるので、あらゆる機会を通じ、国に働き掛けていく。

(3)富士山ナンバーについては、関係4市2町の市町長や議会議長、商工会等から県知事、議会議長に要望があり、また、地元住民のアンケートでも8割の方が賛成している。富士山ナンバー創設に係る対応を伺う。 (3)富士山ナンバーの導入は、意義のある取組と受けとめており、5月に国土交通大臣に要望書を提出した。また、富士山は本県と山梨県にまたがる地名であることから、円滑な導入には、両県の協調が不可欠であるため、両県知事連名による要望も併せて行った。引き続き国に対して導入を働き掛けていく。

5 JRとのかかわりについて

 国鉄改革から18年経過し、順調な発展を続けているJRは、公共交通機関としての安全性、利便性向上、地域振興という側面も有していると考える。しかしながら、JR福知山線の事故など安全性の確保の他、御殿場線の利便性向上、静岡空港新駅の設置等実現していない。JRと県のかかわりに対する所見と対応を伺う。

(石川知事)
 先月19日に、鉄道交通タウンミーティングを初めて開催し、鉄道の利便性向上や鉄道と地域が連携したまちづくりへの取組等について意見交換をした。今月30日に第2回目を東部地区で開催し、効果的な要望活動に繋げるとともに、鉄道各社と協働して利便性や安全性の向上、地域振興に努めていく。

6 地球温暖化対策について

 政府は「京都議定書目標達成計画」を策定し地球温暖化への対応を進めている。国の動き及び県が本年度見直し作業を行っている「新ふじのくにアジェンダ21」の見直しの要点と条例制定の方向性を伺う。
 また、ISO取得企業等に対する支援策は  次に、地球温暖化防止のためのバイオマス、風力、太陽光などに関連する新エネルギー産業への支援策は

(府川環境森林部長)
 国は、多様な政策手段を動員して地球温暖化対策を総合的に進めることとしており、「新ふじのくにアジェンダ21」の見直しにおいては、国の動向を踏まえ、具体的な数値目標を明確にし、解りやすく実効性のある取組となることを主眼に見直し作業を進め、条例制定の必要性もこの作業の中で検討する。
 ISO取得企業等への支援については、工場等の新増設時の事前協議を免除したり、物品等の納入事業者の選定時に配慮している。今後は、「エコアクション21」取得事業者に対しても支援措置を適用する他、環境にやさしいアイデアの実践事業者については、事例の発掘、紹介、表彰などの仕組み作りを検討していく。

(石川知事)
 新エネルギーは、幅広い産業が関係し、新たな市場や雇用が期待されるため、「しずおか新エネルギー導入協働会議」を設置し、促進している。今後、情報交換や展示の場の設定に努め、試験研究機関、大学との連携を図り、支援していく。

7 健康福祉行政について

(1)保健・医療・福祉の連携充実策
 保健と医療のキャッチボールで生きてい ける社会形成が理想である。現在の医療、福祉、介護中心、重点投資というスタイルから保健重視にシフトする必要があるが、保健重視社会形成のためには、保健師等マンパワーの確保、育成が重要である。所見と対応を伺う。

(川口健康福祉部長)
(1)要介護者や生活習慣病の増加の背景の中、介護予防、児童虐待への対応、災害時の健康支援など、保健師には従来にも増して幅広い活動が求められている。
 保健師数は、10年前に比べ1.4倍の898人となっており、今後も保健、医療、福祉の連携に貢献できる人材の確保、育成を図る。

(2)北駿地域におけるファルバレー構想とのかかわり
 北駿地域は、日本一ゴルフ場が多く、乗馬競技場もあり、モータースポーツのメッカにもなりつつある。また、最近、JOCナショナルトレセン構想も報道され、更に、SKY構想エリアの中心にも位置している。
 当地域を、ファルマバレー構想におけるスポーツ・県際交流を中心としたウエルネスゾーンとして事業推進することは有効と考えるが、所見を伺う。
(2)スポーツ分野は、人間の体力や歩行能力向上のため重要である。北駿地域は、既存スポーツ施設等資源も豊富で、首都圏から見ても魅力的であり、高い可能性を備えている。今後、圏域の市町で、健康、スポーツに係る様々な事業展開が図られる際に、ファルマバレー構想との相乗効果が高められるよう連携を図っていく。
(3)国民健康保険制度改革への対応
 国の三位一体の改革により、国保国庫負担の一部が都道府県に切り替えられることとなった。これにより、県は財政調整交付金を通して市町村国保への主体的な取り組みを期待されているが、県の基本姿勢と制度改革に伴う市町村国保への影響緩和についての対応を伺う。
(3)都道府県財政調整交付金の配分方法については、近々国からガイドラインが示される。市町村国保にとって、財政の安定が何よりも重要であるので、国庫負担の削減が、新たな市町村負担にならないよう市町村の意見を踏まえ、ガイドラインを参考に県財政調整交付金の配分方法を検討する。

8 農業行政について

(1)都市的地域の農業政策
 市街化区域等都市的地域の農業には、災害時の緊急避難や雨水調整、景観形成などの役割があるが、農業を営む環境に恵まれているとは言えない。住民のニーズに応え、都市の有益性に配慮した都市農業施策の確立と展開が必要である。所見と対応を伺う。

(北村農業水産部長)
(1)都市農業は、生産環境の悪化や地域共同活動の低下、農業経営の継続への不安などの課題が顕著になってきている。都市農業については、都市と調和した農業振興を図ることが重要であり、農地、農業用水等資源の住民管理や農業体験、簡易基盤整備、遊休農地の効果的利用などを地域住民や関係機関と協働して進め、都市農業が新鮮で安全な農産物を供給するとともに、防災や景観保全など多面的機能を発揮するよう努める。

(2)東部地域の食肉センター
 東部地区の2つの食肉センターは、老朽化と赤字経営に悩んでいる。平成10年度には県及び関係市町村、関係団体により合理化計画が策定されたが、整備計画は進んでいない。県の考え方、対応を伺う。
(2)本年度に牛や豚の生産・流通状況を分析し、平成22年度を目標とした「静岡県食肉流通合理化計画」を見直す。この中で、各地域の意向に基づき、食肉センターの整備方針等策定し、協議会を設置、具体的な支援を行っていく。
9 高規格幹線道路ネットワークの早期構築について
 東海地震、神奈川県西部地震への対応、そして、SKY広域圏構想の実現、静岡空港の利用促進等考えると、現東名、第2東名、中央高速を高規格幹線道路で接続することは、喫緊の課題であるが、138号バイパスは、第2東名御殿場インター方面の整備がなされないと着手できないと聞いている。そこで、第2東名御殿場ジャンクションから秦野インターチェンジの間の整備見通しを伺う。

(古河土木部長)
 国道138号バイパスの整備は、本県の地域活性化、災害時の備えなどの観点から大変重要である。第2東名御殿場ジャンクションから秦野インターまでの未着手区間については、県内18kmを本県が中心線測量を、公団が環境調査を実施した。今後の高速道路整備については、国土交通大臣が、民営化会社との協議を経て整備路線等を指定するため、路線指定と早期整備について、国や民営化会社に強く働き掛けていく。

10 プロジェクト「TOUKAI―0」の推進について
 大地震による死傷者数の軽減は、建築物等の倒壊を防ぐことが第一である。県におけるプロジェクト「TOUKAI―0」は、耐震補強の助成制度活用は伸びているものの、専門家による耐震診断等は少ない。このような中、我が家の専門家耐震診断及びフロック塀等耐震化促進事業は本年度をもって終了する、と聞いているが、今後プロジェクト「TOUKAI―0」をどのように推進していくのか伺う。

(村松都市住宅部長)
 国の中央防災会議において、住宅の耐震化向上のための数値目標が示され、また、県内各市や民間団体等から事業継続の要望が出されている。
 事業の継続に向け総合的に検討していくとともに、市町村、民間団体等と一体となって、「プロジェクトTOKAI-0」の推進に、更に積極的に取り組む。

11 教育行政について
 総合的な学習の時間と生きる力の育成について、であるが、OECDの国際学力調査において、日本の子供たちの理科や算数の学力が低下したことに関し、ゆとり教育の是非について文部科学省において議論がなされたが、この因果関係は不明である。
 茨城県美野里町においては、中学生のホームヘルパー資格取得を総合学習の時間を利用して促進した例もあり、総合学習は、工夫により子供たちの人格形成、社会貢献も可能とする。
 総合学習の時間に実践されるゆとり教育は、子供たちの生きる力を育むものであり、大変重要であると考える。総合学習の時間と生きる力の育成について所見を伺う。

(鈴木教育長)
 総合的な学習の時間は、自ら学び、自ら考える力を育むとともに、自己の生き方を考えさせる有効な時間であると捉えている。昨年度小学校で98%、中学校で89%の学校が、総合的な学習の時間に、地域の方々に参画していただいた。小学校においては地域に根付いた遊びや史跡巡りなど、中学校においては、伝統芸能や地域の産業など、高校においても地域の方々の支援を広く得て、勤労体験や福祉体験などに取り組んでいる。
今後も、子供たちの生きる力を育むための総合的な学習の時間となるよう改善・充実に努めていく。

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17年2月議会

質問及び答弁内容
質問項目 答  弁
●森林条例の制定と森林新税の創設について
 森林には、災害防止機能や水源涵養、多様な生物生息、景観形成、二酸化炭素吸収源など期待される多くの機能があり、県民全てが、これら森林の持つ価値を理解し、共通認識の元、適切な整備、保全策の早急な構築が必要である、と考える。
 そこで、荒廃森林を再生、保全し、また、適切な森林整備を進めていくための森林条例の制定や森林新税の創設について、県の考えを伺う。

(石川知事)
 昨年11月に「静岡県森づくり百年の計」委員会から、森林の整備保全のため、森林所有者をはじめ、県民や行政などの役割を明確にした森林条例の制定や新税の創設などについて提言をもらった。
 森林は県民共有の財産であり、資源の循環利用のためには持続可能な森林整備システムの構築が不可欠であるので、条例制定に向けた検討を進めるとともに、新たな税を含めた新しい森林整備の仕組みに対する県民の理解を得るための取り組みを進める。

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16年9月議会

質問及び答弁内容
質問項目 答  弁
1.東富士演習場問題について

(1)在沖縄米海兵隊のキャンプ富士移転米軍のトランスフォーメーション構想による在沖縄米海兵隊のキャンプ富士移転について、日米の外務・防衛担当局長級協議がなされているが、昭和34年の閣議了解に基づく東富士演習場使用協定を遵守せずに、また、いわゆる東富士4原則を無視し移転が実行されることは許されない、と考える。
 今後の対応について知事に伺う。

 (2)   日米地位協定
 今回の沖縄宜野湾市の米軍ヘリコプター事故において、警察の現場検証が拒否されるなど、日米地位協定については治外法権的運用がなされており、地元のみならず県内全域においても不測の事態の発生が憂慮される。
 県民の安全と安心の確保という観点から、日米地位協定についての所見と対応を知事に伺う。

(生活文化部長)
 今回の移転問題は、使用協定の根幹を揺るがすものであり、県では、国に情報開示や地元の意向を尊重するよう強く求めている。
今後も、使用協定体制の堅持を基本姿勢とし、地元との連携を密にして、地元の意向を尊重し、適時、適切に対応する。








 今回の沖縄宜野湾市で発生した事故は、全ての米軍基地周辺住民に大きな衝撃と不安を与え、極めて遺憾である。


 日米地位協定については、昭和35年の締結以来改定されておらず、もはやその運用改善では諸問題の解決は望めず、見直しが必要と考えている。県民の安心、安全の確保の観点から、渉外知事会を通じ、日米地位協定の見直しを強力に要請していく。

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16年6月議会

質問及び答弁内容
質問項目 答  弁
1.知事の政治姿勢について
(1)国庫補助負担金改革
・地方団体が提案することとなる国庫補助負担金等削減案についての考え
(2)  国と県の役割の見直し
・地方分権時代における国の内政構造改革の一環として、国、県の役割見直しについての考え




・市町村合併・新市町村合併特例法等施行に伴う今後の市町村合併の方向性

(知事)地方の自由度に繋がる奨励的補助金や公共事業関係の補助負担金を優先廃止すべきである、と考えている。

(知事)国は、外交、防衛の他、経済、金融等全国的に統一して行われる分野を担い、県は、市町村を包括する広域事務や市町村の連絡調整、高度専門的事務を担うべきである。現在、国の地方支分局等が行っている事務委譲を受ける「政令県」及び広域の地方公共団体である「道」を提案している。

(知事)平成17年度中には、県内の市町村数は半減するが、自主的な合併を促す必要のある市町村も残る。新法による知事の勧告権行使については、国の基本指針を踏まえ対応を検討する。

2 防災対策について

(1)被災者の居住安定支援制度
・被災者の住宅本体に対する再建・補修費支給に係る考え方

(2)総合防災訓練
・9月1日に御殿場市、小山町で実施が予定されている防災訓練の関連機関との協議、対応の状況


(3)国民保護法への対応
・自主防災組織等への支援、土地・家屋等収用、自衛隊等との連携、損害賠償等に係る費用負担など

(知事)今回の制度では、被災者の居住関連経費の負担も相当軽減できる。今後、住宅本体の建築費や補修費を支援対象とする制度などについて、知事会を通じ国に働きかけていく。

(総務部長)今回の訓練では、昨年12月に策定された国の東海地震応急対策活動要領に基づき、航空機を使った重症患者の広域搬送や広域応援など国と連携した訓練を実施する。現在、地元市町や国、関係機関と細部調整をしている。

(総務部長)国、県、市町村等の責務、国民の協力等について、市町村等に対する説明会を行う。自衛隊等関係機関の方を委員とする国民保護計画策定のための協議会において各期間相互の連携を図る。保護活動に係る財政負担は、避難・救援費用や損害補償、普及費用などについて国が措置を講ずる。

3 ユニバーサルデザインの推進について
(1)ユニバーサルな交通社会実現
・学校や庁舎等施設及び民有地の歩車道用地等としてのセットバック



(2)視覚障害者に対応する総合カードシステム
・交通案内や公共施設案内への総合カードシステム構築とカード携帯者増加策
(生活・文化部長)
狭隘な歩車道等の整備については、市町村や地域住民の要望に応じ個別対応している。民有地の借り上げについては、権利関係等条件整備が必要である。地域住民の意見、協力という過程を大切にし、ユニバーサルな交通社会実現を目指す。

(生活・文化部長)県においては、市町村を通じカード携帯を呼びかけている。また、ハートビル法の基準により、公共施設等への音声誘導装置設置や道路の「あんしん横断システム」の整備を進めているが、今後、市町村や施設設置者、視覚障害者団体等と連携し、普及を図っていく。

4 少子化対策について
・教育費や税負担等の軽減など、子育てに係る費用軽減のための施策

(知事)現在、子育て関連施設の訪問やタウンミーティングを行い、意見を伺っている。今後、企業や地域の皆様との協働により、出産、育児等のライフスタイルに応じたきめ細かな施策を展開する。

5 静岡空港について

(1)反対地権者との話し合いの状況と今後の対応
・土地収用への対応と反対地権者との話し合いの状況


(2)空港を拠点とした地域振興策
・空港への集客事業など空港を拠点とした地域振興策

(3)国際線就航への対応
・国際交流団体の組織化等国際線就航に係る対応

(知事)話し合いの場の設定について提案してきたが、未だ返事をいただけない。計画どおりの開港を目指す立場からは、土地収用法に基づく事業認定申請の判断もせざるを得ない状況となるが、話し合い優先の気持ちを基本に、努力をする。
(企画部長)空港内外には、会議場や見本市会場、ショッピング施設等様々な施設が想定される。人や物が集うための様々な機能集積を誘導し、地域活性化を図れるよう研究していく。

(企画部長)アジア地域を中心に、9路線の就航が可能と考えている。路線開設の働きかけを精力的に行ってきたが、今後、国内外航空会社や民間団体とも連携を図り、開港当初からの国際線開設に向け積極的に取り組む。

6 防犯まちづくりについて

・自主的な地域防犯組織体制構築の状況と課題、支援策及び民間事業者の対応の状況や連携推進策

(生活・文化部長)現在13市町の25地域から助成の要望が挙がっている。今後、県のノウハウを生かし、積極的に支援する。民間事業者については、コンビニの他、タクシーやトラック協会など事業者団地と覚書を締結し、取組は拡大している。事業所毎の防犯協会とも連携し、職場防犯リーダーの養成を図る。

7 国民健康保険制度について
・都道府県が保険者となった場合の国保制度や医療保険の一元化など国保制度の将来

(健康福祉部長)国においては、医療保険制度体系及び診療報酬体系に関する基本方針を閣議決定し、検討しているが、単に県が国保の保険者になることで構造的課題が解決する訳ではない。全国知事会を通じ、医療保険制度の再構築について要望している所である。

8 環境行政について
(1)資源循環型の社会形成
・エコタウン事業の導入など資源循環型社会の形成への取り組み



(2)ゴミ処理広域化計画
・県ゴミ処理広域化計画による広域処理実現に係る課題と対応

(環境森林部長)資源循環型社会形成については、本年10月に本県で開催される「ごみゼロ推進全国大会」を契機に一層の推進を図る。ゼロエミッション化については、複数の事業所で実績が報告されている。今後も、県内で発生する廃棄物の県内処理を目指し、県ゼロエミッション事業を推進する。
(環境森林部長)現在、南伊豆圏域他3圏域で、広域化の段階的対応としての共同処理施設建設計画が進んでいる。市町村合併や施設の建設候補地の地元調整等課題もあるが、圏域ごとの協議会の場で、調整、指導を行うとともに、広域化計画の見直しについての検討も行い、計画の実現を支援する。

9 障害福祉行政について
(1) 障害者雇用促進策の現状と方針
・障害者の雇用拡大のための施策及びポジティブアクション・優遇措置制度の状況と方針

(2)障害者支援費制度の評価と介護保険制度との統合
・県における障害者支援費制度についての評価と介護保険制度との統合に係る考え

(商工労働部長)本年度は、ジョブコーチのサポート拡充を行う。また、就労支援と相談を行う「障害者就業・生活支援サポートセンター」を増設する。新たに、求人開拓員を配置するとともに、イベントの開催による意識啓発を図る。なお、8月から入札制度における優遇策を実施する。
(健康福祉部長)制度施行後、居宅生活支援事業者が1.3倍、ホームヘルプサービスの利用時間1.7倍など在宅サービスの利用が伸びており、前進と考えている。介護保険制度との統合については、国において検討している。県としては、障害者団体や地方自治体の意見を踏まえ議論が進むことを望んでいる。

10   中心市街地の活性化について
(1)TMOの支援
・中心市街地活性化法に基づくTMO事業の支援、促進策




(2)まちづくり交付金制度の活用
・都市再生特別措置法改正に伴うまちづくり交付金事業に対する支援策

(商工労働部長)市民への広報、地元関係者との連携、事業活動をリードする人材の不足、まちづくり意識の欠如など課題があるため、全国でTMO事業を成功に導いている指導者の助言の場を設けるとともに、人材の育成やTMOとNPOとの連携強化を図るための体制整備を図り、一層の支援を行う。
(都市住宅部長)今年度新規採択された地区では、「歩いて楽しいまちづくり」事業などがある。様々な事業を組み合わせることにより中心市街地の活性化に寄与する、と考えており、市町村への制度説明や情報提供を積極的に行うなど地域の課題解決に向け、支援する。

11    観光立県を目指した取り組みについて
・海外からの誘客増に関する国、県、市町村の役割分担、地方財政措置されることとなる市町村の誘客増加策、SKY構想圏に係る隣県との協議等の状況及び観光交流施策

(知事)静岡空港開港を捉え、誘客活動を積極的に展開する。国の施策に対応し、隣接県等と連携しながら広域的なツアールートづくりや海外へのセールス活動を実施しているが、市町村に対しては、地方財政措置の周知を図りながら、外国人観光客受け入れに向けた取り組みを支援する。SKY構想圏の連携を密にし、観光情報の発信や観光ルートづくりを進める。

12 農業行政について

(1)花卉の消費拡大策
・浜名湖花博終了後の継続的な花卉消費拡大策


(2)小規模農地の生産基盤整備と新規就農者の確保
・小規模農地の基盤整備及び新規就農者の確保のための施策

(農業水産部長)県内の事業所や学校などに広がりを持たせた「花咲くしずおか」県民運動の新たな展開やフラワーメッセの開催、花卉消費拡大推進協議会を中心とした宣伝活動の強化等行う。
(農業水産部長)小規模農地の基盤整備においては、グリーンツーリズムや特産品開発などの活動との連携が大切であり、交流施設や生活環境、生産基盤の一体的整備を推進する。更に、住民自らが直接施工する方式を導入する。新規就農者の確保については、農業法人への就業促進の他、農業に魅力を感じる多様な人材の確保に努める。

13 道路整備方針について

・アウトレットや富士スピードウエイのリニューアル等に伴う御殿場・小山地域への来訪者増加に係る道路整備方針

(土木部長)富士スピードウェイの規模拡大に伴う交通渋滞対策等課題と考えている。国では、国道246号の古沢地先約2.8kmの4車線化工事を今年度完成予定で進めている他、国道138号水土野地先のバイパス約4kmの調査を実施している。県においては、県道山中湖小山線の小山町藤曲と湯船地先約2.2kmや県道御殿場大井線の県境付近約1.2kmの整備を進めている。また、県道山中湖小山線を延伸し、国道246号中島インターチェンジへの接続を検討するとともに、国道138号バイパスの早期工事着手などを国に働きかける。

14 景観法成立に伴う対応について

・看板類や電線、電柱等都市景観を阻害する要因が多く存在する中、景観緑三法成立に伴う県の対応

(都市住宅部長)優れた景観は、本県の貴重な財産であり、保全、創出は極めて重要な施策であると考えている。今般、景観計画を定めることにより各種の規制・誘導手法を可能とする景観法が成立したことにより、庁内関係部局や市町村と連携し、県民意識の向上と景観施策の更なる推進方策を検討していく。

15     教育行政について
(1)学校教育と社会教育の融合
・子供たちの地域活動等への参加促進や学校においての地域の人達との交流促進等




(2)英語教育の充実
・総合学習への英会話の取り込み等拡大する中、県費によるALT派遣が縮小し、市町村単独で英会話教育研究等行っている学校もある。英語教育の将来は、文法主体か会話主体か、英語教育の方向性



(3)コミュニケーション能力の向上
・メールや掲示板は、相互に一方通行の会話となり、内容によっては子供を深く傷つけることとなる。子供たちの成長にとって、相手の目を見て会話することが重要である。子供たちのコミュニケーション能力の向上に係る教育




(4)青少年の健全育成
・有害図書自販機等設置に係る業者や土地所有者への対応

(教育長)全ての学校に「生涯学習担当」を設置し、学校外の学習情報の収集と提供、地域の教育資源の活用、学校の施設・人材の提供などに取り組んでいる他、中高生が公民館祭りやボランティア養成講座などに参加している例もある。今後も、子供たちを健やかに育てるため、より一層学校教育と社会教育の連携・融合施策を展開していく。

(教育長)英語教育においては、実践的コミュニケーション能力の育成が極めて重要と考えている。平成15年度から実施している、中、高校の全英語教員を対象とした「英語教育の資質向上のための研修」の充実に努めるとともに、小学校の「総合的な学習」の時間における英語活動充実のためのモデルプラン作成にも取り組んでいるが、子供たちの英語会話能力が育成されるよう、発達段階に応じた英語教育について一層の工夫、改善を行っていく。

(教育長)子供たちの成長過程においては、自分の考えや意見を出し合い、高めあっていくコミュニケーション能力の育成は、極めて重要である。今回の事件を受け、各小中学校に対し「行事や様々な集団活動を通じ、人間関係を深めていく工夫をすること」などの指導をお願いした。学校においては、「きれいな学校コンクール」を通じた協力体制づくりや部活動による人間関係づくりなどに取り組んでいるが、今後も、集団による様々な実体験を通じ、コミュニケーション能力の向上に努める


(教育長)自販機の設置の際には、県条例による届出義務が課せられており、その際、有害図書類の収納禁止等について直接指導しているが、県内約520機の自販機の中には、有害図書が多く存在している。立入調査員や市町村等からの通報に基づき当該図書の撤去を命じているが、今後も、悪質な業者については、警察と連携を図り厳しい指導を行うとともに、土地所有者、住民、市町村等相互の連携を働きかけていく。

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15年12月議会

質問及び答弁内容
質問内容 答   弁

○道路行政
(東名高速道路と中央高速道路との円滑な接続)について
産業活性化のためには、交通インフラの整備が重要である。
 本県においては、今後、静岡空港を核とした観光や物流ネットワークを構築するためにも、全国各地を結ぶ道路網の早期整備が望まれる。中でも、中央高速道路沿線の山梨県、長野県など甲信地域との連携、交流を考えた場合、東名高速道路と中央高速道路を直接結ぶ道路の整備が大変重要であるが、現時点では、現東名高速道路御殿場インターと東富士五湖道路須走インターとを優位な道路で結ぶことが、最も効率的、且つ、効果的であると考える。
 山梨県内を含む関係6市町村においては、東名・中央連絡道路建設促進期成同盟を組織して、関係機関への陳情などを行っているが、この道路の早期完成について、県の考え方と取り組みについてお尋ねする。

◆土木部長
 東名高速御殿場インターと東富士五湖道路を結ぶ国道138号は、甲信地域との連携・交流のため重要な路線である。国土交通省からは、第2東名と国道138号を連結する仁杉ジャンクション付近の詳細を検討中であり、この区間着手に向けて準備を行っている、と聞いている。
 県としても、第2東名御殿場ジャンクション以東の早期整備とともに、南北方向の道路ネットワークの強化を図ることが必要であることから、関係市町村と連携を取りながら、本路線の早期着工を、国に対し強く働きかけていく。

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15年9月議会

問及び答弁内容
質問項目 質問概要 答  弁
1 知事の政治姿勢
(1)県政運営の基本姿勢と地方自治の将来像について

・国、県、市町村等の厳しい財政状況下における県政運営の基本姿勢及び市町村合併を行わない小規模市町村と政令市等大都市が混在することとなる県の将来、そして道州制等

知事
・日本版
NPMである目的指向型行政運営システムを確立し、魅力ある地域づくりに努める。県は、政令都市とそれ以外の都市の広域連合へ再編、都道府県合併も避けられない。国は、外交、防衛等本来的な役割を専ら担い、それ以外の権限は都道府県に委譲されると考える。

(2)三位一体改革について

・国庫補助金の返上と地方への税源移譲についての考えと地方交付税の見直しに係る対応は

・国庫補助負担金は原則廃止し、所得税、消費税を中心に地方へ税源移譲すべきである。財政力の弱い自治体については、引き続き地方交付税機能により対応する必要がある。
(3)プール金問題について

・事務所運営費(プール金)問題の総括と今後の対応及び再発防止策は

・法令遵守に対する職員意識の希薄さに原因があった。特別研修を実施する他、監察スタッフの新設、職員通報制度の創設、監査のアウトソーシング等実施する。
2 防災対策
(1)東海地震注意情報及び警戒宣言時の対応について

・本年7月の地震防災基本計画の修正に係る地域防災計画の見直し、防災意識の高揚方策、病院、小売店舗の開業、営業継続に関する課題と方策は

総務部長
・現在地域防災計画の見直し作業中であり、まとまり次第市町村等に周知、指導していく。自主防災新聞の発行、ホームページの充実等により県民の防災意識の一層の高揚に努める。病院や小売店舗については、建物の耐震化促進と円滑な物資輸送対策を検討する。

(2) 建築物の耐震化促進について
ア公共施設

・公共施設は、防災拠点ともなり、早急な耐震化が必要である。公共施設の耐震化を促進する施策は

総務部長
・本県は、学校校舎や体育館の耐震化率が全国トップクラスである。今後も、市町村に対し、国庫補助事業や大規模地震対策総合補助金の活用等による公共施設の耐震化を促すとともに、県立高校等の計画的な耐震化を進める。

イ住宅及び民間建築物 ・昭和56年の建築基準法改正前の一般住宅及び民間ビル等は多く存在する。県及び市町村が一体となって進めている「TOUKAIゼロ」の推進施策及びデパート、ホテル、事務所ビル等民間建築物の耐震化促進施策は

都市住宅部長
・シンポジウムの開催、
TVCM等による訴え掛けの他、本年設立された「静岡県木造住宅耐震化推進協議会」と協働して耐震化促進に取り組む。又、商工会議所等団体の会合において呼び掛けるとともに、法改正前の建物所有者に対するアンケート調査の結果を基に、個別指導等行っていく。

(3)突発型地震への対応について

・予知が不可能とされている東南海、南海、神奈川県西部地震等突発型地震への対応は

◆総務部長
・従来から神奈川県西部地震も含めた地震対策を進めており、東南海、南海地震にも十分に対応できる。

(4)富士山火山防災対策について
・富士山火山防災マップ案では、富士山周辺の市町村が大きな被害を受けるとともに、東名高速や新幹線等にも被害が及ぶことを想定している。富士山噴火に対応する国、県、防災関係機関との協議状況と対応策は

◆総務部長
・平成13年度に、国、本県、山梨県、周辺市町村等で、「富士山火山防災協議会」を設置し、防災対応を検討している。県においては、周辺市町等で「富士山火山防災対策連絡調整会」を構成し、対策を検討している。今後、国がまとめる火山防災計画との整合を図りながら富士山火山防災計画を策定する。

3 ファルマバレー構想推進のための施策
(1)交通利便性の向上について

・関連する大学、専門学校、健康増進関連企業等誘致のためには、本構想エリア東端と東京、神奈川の小田急線沿線地域とを結ぶJR御殿場線の利便性向上が必要である。JR御殿場駅、松田駅間の電車本数増加に関し、神奈川県や沿線市町との協働施策等は

◆企画部長
・現在、「御殿場線輸送力増強促進連盟」の活動を通じ、運行本数の増加、駅整備等に取り組んでいるが、今後、「山梨・静岡・神奈川三県広域問題協議会」や「富士箱根伊豆市町村ネットワーク会議」の活動と連携し、地元市町や隣県市町村等とともに、JR御殿場線の輸送力や利便性が向上するよう関係機関に働き掛ける。

(2)規制緩和及び企業誘致促進施策について ・関連産業誘致のためには、一方では、県知事許認可に係る規制緩和、法令等の弾力的運用や税の優遇措置等誘致促進制度の創設が必要である。対応施策は

◆知事
・本年度から立地企業への助成等企業誘致施策の拡充を図った。今後、市町村支援のためのセミナー実施や土地利用面での市町村との連携等図っていく。

4 静岡空港

経済効果、建設コストの縮減及び反対地権者への対応について

・空港建設の意義には、波及効果として、県内産業、経済の活性化や雇用創出等もある。

空港建設及び開港に伴う経済効果、そして、建設コストの縮減方策及び反対地権者との協議等の状況は

◆知事
・建設期間中、県内総生産について約1,926億円の経済波及効果、毎年2,600人の雇用創出がある。空港開設後は、年約560億円の経済波及効果、約8,000人の雇用創出がある。今後、富士山を核とした新観光ルートの開発、国際物流拠点基地化等に取り組む。建設コストの縮減については、滑走路等の舗装工事に現地発生材を利用する等縮減に努める。反対地権者の皆様とは、未だ話し合いの場の設定に同意を頂いていない。今後も、理解が得られるよう全力を尽くす。

5 少子化対策

(1)女性の就業促進施策について

・少子化傾向是正のためには、子育てに理解のある職場環境の整備や就業時間の短縮、保育の充実等が必要である。
 女性の就業を促進するための職場環境整備と実践企業に対する応援策は

◆知事
・県職員が中小企業を直接訪問し、仕事と家庭を両立するための助成制度の周知等を図りながら、女性の就業促進を実践している企業の好事例を掘り起こし、女性の就業環境整備の機運を醸成していく。

(2)待機児童問題について

・現在、乳幼児医療費助成制度は、市町村によりばらつきがある。県民は、全県一律就学前まで適用する助成制度を希望している。
助成対象年齢の引き上げ等についての考えは

◆健康福祉部長
・平成1310月に、通院の助成対象年齢を4歳未満まで引き上げたが、これを、就学前までに更に引き上げることについては、多額の財源が必要となることや他の医療費助成制度とのバランス、保護者負担の在り方等の課題もある。本年7月に制定された次世代育成支援対策推進法に基づく県の行動計画の中で検討していく。

6 文化芸術振興施策
(1)文化芸術振興についての基本姿勢と基本条例について

・平成13年に文化芸術振興基本法が制定され、文化芸術の振興について、国及び地方の責務等が規定されたが、県は未だ条例を制定してない。

県の文化振興については、平成8年決定の県文化振興指針に基づき振興を図ってきたが、その検証及び市町村等との協議状況並びに文化芸術の振興、基本条例制定についての考えは

◆知事
・舞台芸術におけるロシアとの交流やグランシップ来館者400万人突破、国際音楽コンクール世界連盟への加盟等文化振興は着実に図られている。市町村等とは「文化行政推進連絡会議」の創設や、地域文化団体等の活動支援などを行い、文化政策ネットワークの形成に努めている。今後も、文化芸術振興の取組を一層充実、発展させていく。基本条例制定等の問題については、各界の意見を聞き、積極的に改善を図る。

(2)児童期の芸術文化教育の充実について ・文化芸術振興基本法に係る参議院文教科学委員会の附帯決議の中で、児童期の芸術文化教育の充実についての配慮が決議されたが、その取り組みと成果は

◆教育長
・国の新世紀アーツプランに基づく「学校への芸術家等派遣事業」等の他、県独自に、「静岡県巡回劇場」や「静岡県ふれあい広場」を実施しており、約13,000人の児童が参加した。参加児童や保護者の感想でも評価の声が多かった。又、昨年の県中学校総合文化祭においても、約3,000人が出演、出品するなど児童期の芸術文化教育の成果は上がっていると考えている。

7 NPO育成施策

税制、資金調達及び人材育成に対する支援施策について

・全国約12,700の法人の中で、たった15法人しか認定法人制度の適用を受けられないなどNPOに係る税制面の課題は多い。又、依然、活動資金調達の問題や活動の核となる人材不足等の問題がある、と聞いている。
 NPOに対する税制面の支援施策や資金調達及び人材育成についての支援施策は

◆生活文化部長・収益事業を行わないNPOに対しては県民税や市町村民税均等割の減免を行っているが、今後、国の動向を見ながら、要望等により対応を検討する。

・資金調達の課題については、今後、有識者、金融機関等とともに検討する。人材育成については、NPO支援の重要施策と考え、リーダー養成講座の開催等行ってきたが、今後、専門性の高いアドバイザーの育成なども進めていく。
8 廃棄物処理対策
(1)   廃棄物処理センターの設置及び市町村との連携、協働体制樹立について

・廃棄物処理については、一般廃棄物は市町村、産業廃棄物は県、と所管が分かれており、円滑、迅速な処理体制が構築されていない。
 県廃棄物処理センターを設置し、そこを拠点として、周辺市町村との連携を強化、廃棄物処理協働体制を樹立する考えは

◆環境森林部長
・廃棄物処理については、廃棄物処理センター制度の活用等多様な方策があるが、県では、現在、民間活力を利用し、廃棄物の埋立処分に頼らず、資源利用を図る新しい廃棄物処理システムの構築に取り組んでいる。市町村とは、県下東・中・西部の「廃棄物リサイクル推進連絡会」を通じ、在宅医療廃棄物処理や小型ガスボンベ等の新たな課題について連携強化を図っていく。

(2)富士山周辺への不法投棄未然防止対策について

・県内の不法投棄について、その60%が富士山麓への投棄である。富士山周辺への不法投棄を未然に防ぐための一層の対応策は

◆環境森林部長
・本年4月に、警察官2名を中心とした「静岡県不法投棄撲滅対策本部」を設置し、県民からの通報制度「不法投棄110番」を開設した他、県境において月2回の夜間検問を実施している。この半年間は、件数、量とも昨年比減少傾向にあり、引き続き未然防止に努める。

9 健康福祉行政

(1)  難病患者支援施策について

・県の特定疾患患者や家族に対する支援事業等について、利用者が少ない、と聞いている。又、国の特定疾患調査研究対象疾患118に対し、医療費公費助成対象疾患は49であり、対象外の患者や医療受給者証交付申請不承認となった患者は、障害者認定も受けられない状況となる。医療面では、難病に迅速、的確に対応できる地域難病センターの設置等も必要である。

特定疾患患者の自立、社会参加、生活基盤安定支援及び地域難病センターの設置についての考えは

◆健康福祉部長
・ホームヘルパーの派遣などについて、実施主体である市町村と連携し、事業の普及と利用促進を図る。特定疾患治療研究事業の医療費助成については、助成対象とならない疾患について、その対象とするよう国に対し積極的に働き掛ける。医療体制については、本年度難病患者のアンケートを実施しており、この結果を踏まえ、難病患者及び家族の相談に応じる機能の充実に努める。

(2)ハンセン病に係る施策について

・ハンセン病については、平成135月の熊本地裁判決を受け、小泉総理の謝罪や石川知事の療養所訪問等実施されてきたが、まだまだ県民の意識は低い。
 県民に対する啓発や交流活動の拡大を図る他、神山復生病院内にある資料館の改築及び国立駿河療養所施設の将来計画等についての協働検討組織樹立等の支援が必要と考えるが、対応は

◆知事
・啓発や交流活動の拡大については、元患者の皆様の意向を聞き、対応する。神山復生病院の資料保存については、施設や元患者の方々から意向が示されれば、それに沿い、積極的に検討する。国立駿河療養所の将来の活用については、国の動向を注視しながら対応する。

10    中小企業支援施策
(1)制度融資実行までの期間短縮について

・融資を受ける中小企業にとって、重要なことは、必要な時に、必要な資金が得られることである。資金の遅延は、連鎖倒産に繋がりかねない。 融資実行期間の現状及び期間短縮についての考えは

◆商工労働部長
・現在、信用保証協会の審査期間は、3日以内が85%で、大半を占めているが、審査途中で、営業成績や資産内容などについて金融機関との調整を要する場合があり、一部の申込者については、一定の期間を要することとなっている。

(2)貸し渋り対策について

・現在、金融機関においては、金融再生プログラムを元に、不良債権処理が進められ、これにより貸し渋りの状況が発生しやすくなっている、と聞いている。
 貸し渋りが発生しては、制度融資は全く機能しないこととなる。
 その状況と対策は

◆商工労働部長
・県が本年8月に県内中小企業を対象に行った融資状況調査では、金融機関の融資条件が緩やか、若しくは、変わらないとする回答が昨年より増加している。県制度融資の今年度新規貸出額は8月末で前年度比97%となっている。現在、貸し渋りの苦情はなく、経営改善運転資金及び売上減少経営安定資金の貸付も前年を上回っており、制度融資はその機能を果たしていると受け止めている。

11    教育行政
(1)地域スポーツクラブの育成について

・文部科学省においては、地域のスポーツクラブを育成し、地域が、子供たちの健全育成を図る、という指針を出している。一方、日本では、学校の部活動を充実した方が良い、という意見もある。子供たちの人格形成、健全育成等を図るための地域スポーツクラブの育成と学校の部活動についての考えは

◆教育長
・学校の部活動は、人間形成上非常に有効な教育活動であるが、指導する教師の問題や少子化等課題も多く、学校や地域の実情に応じた対応が必要となってきている。地域主導による「静岡型地域スポーツクラブ」の育成と学校の部活動の充実に努め、相互に、一層の連携が図れるよう支援する。

(2)学校施設のあり方について

・子供たちの部活動等における怪我の他、学校校庭や体育館を利用して地域行事やスポーツ等行う際の社会人や女性、高齢者の怪我が多発している。又、体育館の使用が、実施する種目により禁止されている。更に、活動を見るための観客席の設置は進んでいないなど学校の構造に関する課題が多い。
 学校校庭の芝生化、体育館の補強、観客席の設置等これからの学校施設の在り方についての考えは

◆教育長
・学校は、地域住民の身近な学習機会の場として、地域社会に開放することが重要である。このため、施設整備に当たっては、子供から高齢者まで多様な利用者を想定する必要がある。市町村と連携し、地域住民が安心して利用でき、コミュニティ醸成にも資する学校づくりを一層推進していく。