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2013年3月13日 (水)

県議会代表質問概要

平成252月定例会 代表質問(2/27) 概要              池谷 晴一

                                                               
 

質   問

 
 

答   弁

 
 

1 知事の政治姿勢について

 

  知事マニフェストに、総合計画審議会の政策提言を加え、総合計画を策定した。このマニフェストは、第7回マニフェスト大賞・首長部門大賞を受賞したところである。

 

  更に、平成24年度「ふじのくにづくり白書」によれば、総合計画基本計画について、98%・360の取り組みが順調に推移している、としている。

 

  これからの日本、そして、静岡県を考える時、様々な課題が山積しており、県民は、的確な施策構築と迅速な対応、前倒しで実行ができるリーダーを求めている、と思う。

 

知事就任から14年間が終わろうとしているが、その総括と今後の静岡県、県民への思いを知事に伺う。

 
 

(川勝知事)

 

 知事候補者として提示したマニフェストは、9ヵ月経った時に総合計画室で独自に評価し、「実施」「進行中」が95%ということになった。

 

当 時進行中であった総合計画にそれを全て落とし込むということを含めつつ、総合計画審議会においての意見、さらに県民の皆様、県議会からの提言を加え、総合 計画「富国有徳の理想郷“ふじのくに”のグランドデザイン」を策定したが、その経緯からして、これは「県民の、県民による、県民のためのマニフェスト」と 表現できるものであり、その計画を前倒しで実現するべく、全力を傾注してきた。

 

 先ごろ公表した2度目の“ふじのくに”づくり 白書、すなわち評価書では、その一部に「目標達成に向け、より一層の推進を要する」と評価された項目があったが、全体としておおむね順調に推移していると の評価を得ている。これは、県民の皆様を始め、学識経験者や県議会による評価を踏まえ、PDCAサイクルを通じて不断の見直しを行った結果・成果であると 考えている。

 

 県政の諸課題については、総合計画すなわち「県民の、県民による、県民のためのマニフェスト」の評価も踏まえ、施策の改善や重点化を図り、この基本計画の総仕上げに向けて取り組んでいく。

 

 地震・津波対策については、南海トラフの巨大地震による被害想定等を踏まえて、新たな地震・津波対策アクションプログラムの策定と着実な対策の推進に取り組んでいく。

 

防災・減災と地域成長を両立した地域づくりを目指す「内陸のフロンティア」を拓く取組についても、先ごろ、国の総合特区に指定されたところである。

 

 少子化対策では、今年度、健康福祉部に一体的な施策推進体制を整備した。その成果を踏まえて、取組の強化を図る。

 

 また、本県教育の一層の充実を図るため、「教育行政のあり方検討会」での意見を踏まえ、教育委員会と 連携した取組を進める。指導主事の先生方を現場に戻すということが、平の教員に戻すというように誤解されている向きがあるが、指導主事は先生の先生であ り、先生を大事にするためには、そうした先生の先生を、職員室に移す。すなわち「あすなろ」や本庁ではなく、教育の現場に移す。移動指導主事室の場所は職 員室にあるということである。そうしたあり方を、我々は今、検討をお願いしている。 小中学校全学年での35人学級についても、県単独措置等により実施する。

 

 経済・雇用対策については、日本一を誇る食材を活かした食の都づくり、医療・健康、食品、環境エネルギーなど新産業の育成や、雇用創造アクションプランの推進に官民一体となって取り組んでいる。

 

富士山の世界文化遺産登録や伊豆半島の世界ジオパーク認定に向けた取組も着実に進めている。

 

 今後とも、現場に赴き、現場から学び、現場で解決することを原則にした現場主義を基本姿勢とし、県民誰もが誇りと希望を持って暮らすことのできる富国有徳の理想郷“ふじのくに”づくりの実現に、より一層のスピード感を持って、全身全霊で取り組む

 
 

2 平成25年度当初予算編成について

 

  新年度の当初予算案は、任期4年の最後の年となる川勝知事にとっては、自ら策定した総合計画の総仕上げの年、集大成の予算編成であったが、多額の財源不足が見込まれ、大変厳しい状況下での予算編成になったと思う。  

 

我が会派は、当初予算編成に対する要望として、地震・津波対策や経済・雇用対策、教育などの重点要望項目について申し入れを行ったが、知事は、平成25年度当初予算編成に当たり、こうした我が会派の要望を踏まえ、予算編成を、どのようになされたのか伺う。

 
 

(川勝知事)

 

 平成25年度当初予算は、「富国有徳の理想郷“ふじのくに”づくり」を目指す「県民の県民による県民のためのマニフェスト」、すなわち総合計画の基本計画が最終年度を迎えることから、その総仕上げとなる予算として要望を踏まえ、3つの方針に基づいて編成した。

 

 方針1、これは「“ふじのくに”づくりを総仕上げする重点施策の展開」であり、方針2は「総合計画目 標達成に向けた取組の推進」である。方針3は「自立を支える行政運営の実現」である。具体的には、民主党・ふじのくに県議団からの要望も踏まえ、6つの重 点施策に沿って予算を編成した。

 

 重点施策の第1の「「内陸のフロンティア」を拓く取組」では、予防防災と経済成長モデルの両立を図る地域づくりを進める。市町の地域づくりを支援するアドバイザー派遣制度を創設して、全体構想を推進するほか、先導的モデルとなる事業の着実な推進に取り組む。

 

 第2の重点施策「エネルギーの地産地消の推進」では、太陽光発電設備等の導入を引き続き支援する。また、天然ガスコージェネレーションなどを活用した地域内のエネルギーを有効利用する取組を推進するほか、海洋再生可能エネルギーのポテンシャル調査を行う。

 

 重点施策第3の「地震・津波対策の推進」では、防潮堤、河川堤防の整備、水門への避難用階段の設置、津波対策を県内全域で進めるほか、「大規模地震対策等総合支援事業費」の補助限度額撤廃を平成27年度まで延長、第4次地震被害想定の啓発など、ハード・ソフト両面から対策を進める。

 

 重点施策第4の「富士山の後世への継承」では、富士山の世界文化遺産登録を見据え、富士山周辺施設を活用した情報発信を行う。また、富士山の眺望を楽しむ観光ルートの活性化などにより、交流人口の拡大を目指す。

 

 重点施策第5の「雇用・経済対策の機動的な実施」では、「静岡県雇用創造アクションプラン」に掲げる3万人の雇用創出の達成に向けて、新エネルギーなどの成長分野への参入を目指す地域企業への支援、また介護分野での雇用のミスマッチの解消、人材の育成に取り組む。

 

 重点施策第6の「少子化対策の充実」では、保育所待機児童を解消するため、保育所等の施設整備や保育士確保のための支援を行う。また、ひとり親家庭の保育サービスの利用料金に対する助成制度を創設するなど、安心して子どもを産み育てやすい環境の整備を進める。

 

 このほか、「教育環境条件の整備」については、小学校、中学校の全学年で静岡式35人学級編制を完成させるため、必要となる教員を県独自で増員する。コミュニケーションスキルの指導を行うなど、発達障害のある児童・生徒等に対する支援の充実にも努める。

 

 これらの施策に全庁を挙げてスピード感を持って取り組み、県民幸福度の最大化に向けて、全力を傾注していく決意である。

 
 

3 地域主権改革の推進について

 

地域主権改革は、この国の在り方を大きく転換するものであり、政府は、これを推進してきた。

 

今まで、基礎自治体への200条項余の権限移譲や、8府省18事業に及ぶひも付き補助金の一括交付金化を実現した。また、国の出先機関改革では、ハローワーク特区を埼玉県と佐賀県で実施するなど、改革の推進に取り組んできた。さらに、「国と地方の協議の場」の法制化や、社会保障・税一体改革など成果を挙げている。

 

一方、現政府は、一括交付金を平成25年度から廃止し、いわゆるひも付き補助金を復活するなど、地方自治体の自由度や自主性の面で、後退するのではないかと危惧する声が上がり始めている。

 

今まで実施してきた地域主権改革に対する評価と今後の改革のあるべき姿について、知事の所見を伺う。

 
 

(政策企画担当理事)

 

 民主党政権が進めた地域主権改革においては、例えば、義務付け・枠付けの見直しで、公の施設の設置管理の基準を都道府県が条例で規定することが可能となった。

 

 また、ひも付き補助金の一括交付金化では、地域自主戦略交付金を創設して、一定程度、地方公共団体の裁量に委ねるなど、地域が自らの判断と責任で、地域の諸課題に取り組むことができるよう、個別の取組を推進してきたことは、一定の評価がされるものと考えている。

 

 しかしながら一方で、改革を推進するに当たって、国出先機関の地方移管に向けた取組に代表されるよう に、将来の国と地方のあるべき姿を描き、役割分担についても見直した上で、大局的な見地から個別の具体的な政策を進めるべきものであると考えられるが、こ うした見地をやや欠いていた感がある。

 

 今後の改革のあるべき姿については、まず、国が「この国のかたち」をしっかりと描いた上で、住民に身近な行政は、地方公共団体が自主的かつ総合的に担うという、改革の理念を明確にして取り組んでいくことが望まれると考える。

 
 

4 内陸のフロンティアを拓く取り組みについて

 

(1) 構想の推進

 

内陸のフロンティアを拓く取り組みは、昨年9月に全体構想が策定され、併せて総合特区の申請が行われたが、「災害に強い魅力ある地域づくり」を早期に実現できるよう、構想段階から実行段階へと進めていく必要がある。

 

 こうした中、今月15日には、本県の取組が総合特区に指定された。これは、取組の意義や提案が評価されたものであり、今後の取組に大きなはずみがついたと考える。

 

 構想を実行段階に移すために、今後どのように本取組を進めていこうとしているのか伺う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(2) 土地利用計画の見直し

 

 東日本大震災以降、沿岸部に立地している企業や住民の内陸部への移動が起きているほか、沿岸部の地価が下落するなど、企業活動や県民生活などに様々な影響が生じている。

 

 しかし、沿岸部は、災害に強く豊かで潤いのある地域へ発展していく可能性があり、内陸部は、物流企業等の進出など地域活性化への様々な期待がある。

 

 沿岸部の再生と内陸部の革新、防災減災と地域成長を謳う内陸のフロンティアの構想を推進するためには、自然環境等に配慮し、また、都市計画法等に基づく様々な土地利用に関する計画との調整も必要である。土地利用についての方針や基準の見直しついて、県の方針を伺う。

 
 

(1)(川勝知事)

 

 「内陸のフロンティア」を拓く取組の推進に当たっては、早期に先導的な地域モデルを具体化させたいと考えており、有事に備えた地域づくりであるとともに、地域の経済成長モデルとなることを実証する必要がある。

 

 このため、平成25年度当初予算においては、市町の先導的な取組を支援することに加え、本構想を県全域に広げるため、アドバイスチームを派遣する経費などを盛り込み、全部局を通じて200億円を超す関連予算を計上した。

 

 さらに、企画広報部に、「内陸フロンティア推進室長」及び「内陸フロンティア推進班」を設置し、取組全体の司令塔としての機能を強化し、庁内関係部局はもとより、市町や民間とも連携・協力し、スピード感を持って着実に取組を進める。

 

 今月15日の総合特区指定に当たり、国から 「南海トラフ大地震対策は日本の経済活動の維持のために不可欠であり、防災と地域経済振興を結び付けた本提案の意義は大きいと考えられる。また、震災復興 地域に対する機能モデルを提供することが期待される点も評価できる。」との評価をいただいたところであり、本構想の意義を全面的に支持されたものだと受け 止めている。

 

 今後とも、沿岸部における活力の維持・向上に努めつつ、防災・減災と地域成長の両立を目指す。そのた めには、関係市町や企業と連携しながら、県民、そして、日本全体のため、総合特区制度を始め、国の関連制度も活用し、本県全域で「安全・安心で魅力ある地 域づくり」に邁進する。

 

(2)(政策担当理事)

 

 都市計画法などの土地利用に関する個別規制に対して、総合的な見地から土地利用の基本的方針を示す「静岡県土地利用基本計画」は、平成233月 に策定されたものであり、新東名の開通や南海トラフ巨大地震の影響等を反映していないため、東日本大震災以降の状況変化を反映し、「内陸のフロンティア」 を拓く取組も踏まえ、沿岸部と内陸部それぞれの土地利用の在り方を明確にした基本計画にしていくことが必要と考えている。

 

 このため、21日 に開催した県国土利用計画審議会において、安心して生活し、生業を継続できる魅力ある沿岸部の再生と、新たな成長を担う内陸部の形成に向けて、自然環境と 景観との調和、緑地空間の創出による防災・減災機能や居住環境の向上を図ることなどを盛り込んだ基本計画の改正案を示し、御審議いただいたところである。

 

 今後、審議会での意見を踏まえ、市町との調整や国との協議を実施し、さらにパブリックコメントにより広く県民の皆様の意見も聞きながら、土地利用基本計画を改正して、県土の計画的かつ良好な土地利用を図りつつ、「内陸のフロンティア」を拓く取組の推進に努めていく。

 
 

5 再生可能エネルギーの導入促進について

 

  一昨年の福島第一原子力発電所の事故を発端として、我が国では、新たな電力供給源として、自然資源を活かした再生可能エネルギーの利活用を進める気運が高まっている。

 

  再生可能エネルギーは、環境に優しいことに加え、地域の資源を活用できることなど地域の活性化にもつながるため、更なる導入が期待されている。

 

昨年7月から始まった再生可能エネルギー固定価格買取制度を契機として、県内でもメガソーラーを始めとする発電事業者が急増しており、今後も、太陽光発電の導入を加速していく必要があると考えるが、県では、今回、太陽光発電については、目標を大幅に引き上げる、とのことである。来年度以降どのように取り組むのか、伺う。

 

また、小水力、温泉、地下水、更に、海洋エネルギー等再生可能エネルギーの導入について、県の方針を伺う。

 
 

(政策担当理事)

 

 本県では、東日本大震災以降、太陽光発電の導入促進に積極的に取り組み、平成32年度までの目標である30万kwを8年前倒しで今年度に達成する見込みであることから、目標をこれまでの3倍の90万kwに大幅に引上げ、引き続き、強力に導入を促進していく。

 

 来年度においては、住宅用の助成件数を11,000件から13,000件に拡大するとともに、導入を進める中小企業に対して、県の制度融資における利子補給率を従来より0.2%上乗せして、支援を行う。

 

 また、農業現場への太陽光発電設備の導入を促進する助成制度を新たに創設するほか、県民ファンドの活用などにより、広く太陽光発電の導入機運を高めていく。

 

 一方、小水力発電では、奥野ダムや農業用水への率先導入に取り組むほか、温泉熱発電についても、東伊豆町と協働して、観光地における小型発電設備の実証実験を行っていく。

 

 富士山麓の豊富な地下水を活用した熱交換システムのモデル設置や、洋上風力発電、波力発電の導入可能 性調査等にも取り組み、太陽や水、温泉、海洋など、本県が有する豊かな自然資源を活用した再生可能エネルギーの導入を促進して、安全・安心で持続可能なエ ネルギーの地産地消を目指していく。

 
 

6 富士山に係る諸課題について

 

(1) 登山者の安全確保対策

 

富士山の遭難件数が増加し、大変深刻な状況となっており、こうした状況を受け、山岳遭難防止対策協議会の各支部からは、県条例の制定要望が出されており、県の対応に期待を寄せている。

 

富士山に、無計画な上に、軽装で十分な装備も持たずに登る登山者が救助を求めるケースも見受けられる。

 

登山者の安全確保について、どのように取り組んでいくのか、対応を伺う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(2) 遭難事故対策

 

一方、ひとたび富士山で遭難事故が発生すれば、冬期の非常に厳しい現場においても、県警の山岳遭難救助隊が出動し、人命救助作業に当たっている。

 

私の地元の御殿場警察暑にも、山岳遭難救助隊員が配置されているが、遭難してしまった登山者を、一人でも多く救助するための対策についても、万全を期して欲しいと願う所である。

 

富士山における遭難事故の現状を踏まえ、今後の更なる取り組みについて警察本部長に伺う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(3) マイカー規制

 

富 士山のマイカー規制については、徐々にマイカー規制期間を拡大して、渋滞の緩和と環境保全に努め、その結果、規制期間中の渋滞緩和や公共交通を利用した計 画的な登山ができるようになってきたと考えるが、その一方で、規制期間外における渋滞や路上駐車は解消されておらず、更なる対策が必要である。

 

また、須走口ふじあざみラインの改良や違う登下山道利用のための道路整備、シャトルバスの運行等課題もある中、マイカー規制の結果、効果と来年度以降の対応を伺う。

 
 

(1) 文化・観光部長

 

 県では、多発する遭難事故や登山届の義務化の要望などを踏まえて、昨年7月に、庁内関係各課で構成する「富士登山安全対策会議」を立ち上げ、対策を検討するとともに、地元市町及び関係者を始め、国や山梨県とも協議してきた。

 

 その結果、従来から行っている夏の登山シーズンの登山道、標識等の整備や富士登山ナビゲーターの配置などに加え、総合的な富士登山の指針となる(仮称)「富士登山ガイドライン」を策定することとした。

 

 ガイドラインでは、十分な装備を持たない登山者に対して一層の注意喚起を促すなど、安全な富士登山のための必要事項を明記するほか、特に、夏山シーズン以外の遭難リスクと登山の自粛を強く訴える内容とする予定である。

 

 登山道が閉鎖されている期間の登山届については、条例で義務付けることはできないものの、遭難事故が相次ぐ深刻な状況であり、登山届が迅速な救助活動に資することを踏まえ、ガイドラインの中で提出を義務付けることとしている。

 

 今後は、国、山梨県、地元市町、観光事業者などを構成員とする「富士山における適正利用推進協議会」 でガイドラインを決定し、今年の山開きまでには、4か国語のリーフレットやホームページで、国内外の登山者に周知するとともに、登山ツアーを実施する旅行 会社向けのガイダンスを行うなど、登山者の安全確保に努めていく。

 

(2) (警察本部長)

 

 遭難事故の現状であるが、平成24年中、富士山では5670人が遭難し、対前年比914人の増加で、件数・遭難者とも10年前の約3倍に増加し、過去最悪の状態になっている。

 

 主な遭難原因は、装備品や情報収集などの準備不足と天候などを無視した強行登山や体調管理不足であり、遭難者の大半は県外者又は外国人である。いずれも登山計画書を提出せず、多くは単独登山であり、7月と8月の夏山登山シーズンは観光気分で登山して道に迷い、遭難するケースが多くみられた。

 

 今後の取り組みについては、遭難事故を未然防止するため、静岡県や環境省の富士山適正利用協議会と連携した広報活動を強化する。具体的には、昨年夏、在京アメリカ大使館などの19大使館に登山情報を発信したが、今年も関係機関と連携し登山者の耳に届く広報に努める。

 

 また、夏山登山シーズンには、臨時警備派出所の設置などにより、登山指導やパトロールを計画的に行い、夜間の単独登山事故に遭いやすい登山者への直接指導等を効果的に展開していく。

 

 さらに、最近、冬季においては裾野市側の登山者が多いことから、裾野警察署の新設に合わせて山岳遭難救助隊員を5人増強し27人体制とし、隊員を航空隊に配置するなど、空陸一体となった迅速的確な対応ができるよう体制の充実を図っていく。

 

(3) (交通基盤部長)

 

 県では、平成6年度に富士宮口でマイカー規制を実施して以来、規制期間の拡大や須走口への導入、乗換駐車場の有料化等、取組を充実しながら、安全で快適な富士登山と環境保全の実現に努めてきた。

 

 今年度は、両登山口とも、マイカー規制を旧盆前の平日を加えた34日 間に拡大して実施した結果、交通渋滞の原因となる路上駐車の発生日数は昨年度に比べ減少させることができ、また、利用者へのアンケートからは、規制期間の 拡大や乗換駐車場の有料化についても、理解が得られたものと考えている。しかしながら、規制期間外の平均路上駐車台数が富士宮口で倍増したことに加え、来 年度は、世界文化遺産登録に伴う来訪者の増加も予想されることから、富士宮口では、海の日の連休以降連続52日間に、須走口では、来訪者の少ない平日を除く37日間に、それぞれ拡大し実施する。

 

 県としては、富士宮口と須走口のそれぞれの登山口ごとに設置している協議会において、合意形成を図りながら、マイカー規制の適正な運営に取り組むとともに、アクセス道路の整備等にも努め、周辺の自然と調和した安全で快適な富士山観光を支援していく。

 
 

7 富士山世界文化遺産登録について

 

富士山の世界文化遺産登録について、イコモスから、世界文化遺産推薦に係る追加情報の要請があった。その内容は、1つ目は、保存管理関係において、全体を広く、面的に管理していくこと、2つ目は、三保松原の除外、3つ目は、資産の名称変更についてであった。

 

文化庁では、地元自治体及び環境省や林野庁と協議の上、回答を作成し、提出するが、この内、三保松原の除外について、文化庁は、「是認できない」、と回答する対応方針とのことであるが、登録可否そのものへの影響について心配されるところである。

 

今回のイコモスの要請について、県としてはどのように考えているのか、伺う。

 
 

(川勝知事)

 

 5月上旬のイコモスの勧告を経て、6月にカンボジアのプノンペンで開催される第37回世界遺産委員会において、いよいよ世界文化遺産登録の可否が決定される。登録への道は、まさに9合目といったところである。

 

 イコモスの勧告は、世界遺産委員会の重要な判断材料となる。今回の追加情報については、富士山の顕著な普遍的価値や保存管理について、イコモスの委員の先生方の御理解を深めるための説明の機会をいただいたものだというふうに受け止めている。

 

 三保松原を外すようにとの要請もあったが、駿河湾越しに見える富士山の姿を借景とした文化的景観というべきものであり、三保松原と富士山とは一体のものであると考えている。

 

 偶々、見本として刷り上った「富士山百画」を1月末に横内山梨県知事とともにユネスコ、ラオ所長にお届けしたが、その絵には、三保松原と富士山とが一体となった絵がいくつも含まれており、こうしたことは、参考資料として極めて重要な判断材料になろうと思っている。

 

 日本人に最も愛されてきた景観である三保松原は、「芸術の源泉」としての代表的な展望地点であること は疑いがない。それとともに、富士山本宮浅間大社に「富士曼荼羅図」というものがあるが、これは三保松原から参詣曼荼羅として富士山の頂上に至る、それを 描いたものであり、まさに「信仰の対象」としても重要な場所であることが、これを通しても判る。

 

こうしたことを丁寧に御説明申し上げ、富士山の顕著な普遍的価値を証明する上で、三保松原もまた、不可欠な構成資産であることを御理解していただけるものと確信している。

 

 資産の名称については、「信仰の対象」及び「芸術の源泉」の両面を表現する、富士山にふさわしい名称を文化庁の方で御検討していただいている。

 

 我々としては、引き続き、文化庁を中心に、三保松原を含めた富士山の世界文化遺産登録に向けて、万全を期していく。

 
 

8 少子化対策の推進について

 

(1) 官民一体となった少子化対策の推進

 

安心して子どもを生み育てられる環境を実現するためには、県のみならず、社会全体で子どもや子育て家庭を支える仕組づくりに取り組むことが、重要である。

 

特に、企業が行う従業員の子育てへの応援が、本県の出生率の向上に寄与することも期待できると思う。

 

県においては、平成2310月に、「こうのとりカンパニー認証制度」を創設したが、現状の認証状況と今後の事業の進め方について伺う。

 

また、県内企業の先進的な取組を、他の企業に広げていく取り組みも積極的に行って欲しいと考える。

 

そこで、官民一体となって子育てを応援する仕組づくりのため、今後、県はどのように取り組んでいくのか伺う。

 

 

 

 

 

(2)待機児童の解消

 

待機児童は、昨年4月には、前年比4割、148人の増加で514人となり、過去3番目の水準となった。

 

国の調査によれば、子育て世代の所得分布は、軒並み低い所得層にシフトしており、この若い世代の所得の低下に伴い、働く女性が増え共働き世帯が増加していることが、保育ニーズの押し上げにつながっていると考えられている。

 

一方、待機児童の内訳では、3歳未満の低年齢児が多く、昨年4月時点で約8割を占めている。

 

また、特徴として、待機児童は、年度後半に向けて増える傾向にあり、特に0歳児については、その伸びが顕著である。

 

これに対応するためには、保育サービスの一層の量的拡充と、保育を希望する時期に、リアルタイムで保育サービスを享受できる環境の整備が必要である。

 

どのように取り組んでいくのか伺う。

 
 

(1) (健康福祉部長)

 

 核家族化が進行し、夫婦共働き世帯が半数を超える中、これまで進めてきた保育所の整備や子育て支援団体の育成に加え、企業による子育て環境の整備、推進が、少子化対策を進める上で大変重要であると考え、「こうのとりカンパニー制度」を創設し、この一年余で27社を認証したところである。

 

 認証を受けた企業からは、「従業員の仕事に対するモチベーションが上がった」、「子育てをしている社員同士が助け合う雰囲気が広まった」など、企業活動にも好影響を与えているとの御意見をいただいており、今後とも制度の普及と認証企業の増加を図っていく。

 

 さらに、来年度からは、中小企業団体中央会、商工会連合会、経営者協会、商工会議所連合会の経済4団体と連携して、従業員のライフスタイルに合った働き方や、子育てにも配慮した企業経営を推し進める企業を発掘し、県内外に発信するとともに、こうした企業をできる限り増やしてまいりたいと考えている。

 

 また、企業版の合計特殊出生率である「企業子宝率」という新たな指標を用いて、その数値が高い企業を「子育て応援企業」として評価し、称えることにより、その取組を促進していく。

 

 県としては、市町や子育て支援団体に加え、企業とも積極的に連携し、官民一体となった少子化対策の推進に努めていく。

 

(2) (川勝知事)

 

 女性の社会進出や共働き世帯の増加に伴い、本県においても予測を上回る保育需要が生じており、一旦減少した待機児童も、残念ながら政令市を中心に増加している。 これを受けて、浜松市は、2年後をめどに待機児童ゼロを目指し、静岡市も対応をされるものと期待している。

 

 残り33市町のうち、平成244月において21の市町で待機児童ゼロであり、残り12の市町の待機児童ゼロを目指すということになるが、昨年度から各市町に働き掛け、保育所等の定員増加に懸命に取り組んできた。その結果、保育所で815人、認定こども園で145人、認証保育所等274人など、今年の4月には、合計1,234人の定員増となる見通しである。

 

 さらに、昨年10月には、待機児童の発生している市町から成る「待機児童解消推進会議」を開催し、更なる保育所等の整備を促すとともに、「グループ型小規模保育事業」や保育ママの活用など、きめ細かな待機児童対策を強く働き掛けているところである。

 

 来年度は新しい取組として、施設整備に伴い必要となる人材を確保するために、まず保育士の処遇の改善を図るということを軸に、それに加え、年度途中における0歳児の保育需要の増加にも対応できるように、民間保育所に対する支援制度を創設することにした。

 

 待機児童の解消は、少子化対策の最重要課題というように考えており、今後とも市町とともに全力で取り組み、待機児童ゼロを目指していく。

 
 

9 求職者への実効性ある就職支援策について

 

本県の有効求人倍率は、0.73倍で、全国平均を6か月連続で下回っている。今春卒業予定の県内大学生及び高校生の内定率も改善に至っていない。

 

さらに、高齢者雇用安定法が改正され、本年4月から希望者全員の65歳までの継続雇用が義務付けられたが、55歳から64歳までの昨年12月の完全失業率は高く、失業中の方がやむなく生活保護を受給したり、若者がフリーターやニート化したりするなどの状況に追い込まれている。

 

様々な求職者の方々が、早く就職できるよう、実効性のある就職支援策に、どのように取り組んでいくのか伺う。

 
 

(経済産業部長)

 

 県では、来年度、離職者を対象とした「求職者総合支援センター」、新卒者・若者などを対象とした「ヤングジョブステーション」など、現在分散している就労支援機関の施設と機能を1か所に集約した「しずおかジョブステーション」を沼津、静岡、浜松の県内3か所に新設し、ハローワークの求人検索機と職業紹介機能も併設し、ワンストップで相談から就職までの一貫した就労支援を行っていく。

 

 この機関では、最初に総合案内で相談内容を把握し、若年者、高齢者等の世代や生活環境など個々の事情 に応じ、ヤングジョブ相談、シニア応援相談などを実施する体制を整備、きめ細やかなカウンセリングを行う。また、個々の就労支援機関が独自に実施してきた 就職セミナーを、一つの体系にまとめることにより、求職者が自分のレベルに合ったセミナーを受講できるよう工夫するなど、求職者にとって利便性が高く、就 職に直結する多様な支援を展開していく。

 

これに加え、様々な世代を対象に、就職面接会を20回開催するほか、求人の多い福祉介護の仕事について、講義形式で学び、その後現場を見学するセミナーを21回開催するなど、労働局、関係機関と連携し、一人でも多くの求職者が就職できるよう実効性ある就職支援に全力で取り組んでいく。

 
 

10 ふじのくにの「都」づくり推進について

 

 (1)「食の都」づくり

 

本県は、「食材の王国」であり、着実にふじのくに「食の都」が形づくられてきた。

 

昨年4月に開通した新東名等5つの高規格幹線道路を、「食の都大路」と名付け、清水パーキングエリアで「軽トラ市」を開催するなど、新たな取組を進めているが、これまでの成果と、今後どのように事業展開を図っていくのか伺う。

 

   一方、本県でも秋葉原にアンテナショップを開設するが、どのようなコンセプトで、どのように県産品の情報発信や更なる市場開拓を進めるのか伺う。

 

さらに、スペインの「サン・セバスチャン」は、世界に誇れる食材やレストラン等を育成し、「食材の宝庫」、「美食世界一の街」と言われているが、本県も、A級、特A級グルメ・四つ星、五つ星レストランの都として全世界に発信することも考えられる中、海外にどのように「食の都」をアピールしていくのか伺う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 (2)「茶の都」づくり

 

本県の茶業は、生産の40%、流通の60%を占める、日本一の大産地である。

 

お茶は、ピーク時には国内生産の8割にあたる約3万トンがアメリカを中心に輸出され、明治維新を機に、日本の輸出を担うグローバルな花形産業として発展し、本県では、昭和30年以降には、首都圏の嗜好に合った「深蒸し茶」を開発するなど、常に日本の茶業界をリードしてきた。

 

本県には、生活の中にお茶が深く根付いており、子供から高齢者まで、お茶を楽しむ、まさに「日常茶飯」が生きている。

 

また、中国浙江省・杭州市では茶文化が根付いているが、今後、日本一の「茶の都」の地位を確立し、世界に発信していくための取り組みを伺う。

 
 

(1) (経済産業部長)

 

 県では、平成22年度から「食の都」づくりに積極的に取り組んでおり、しずおか食セレクションを始め、「食の都 仕事人ウィーク」は、これまで9回、延べ1,118人の仕事人の参加を得て、四季を彩る食のイベントとして県民の皆様に定着しつつある。また、仕事人の食を味わうツアーを、首都圏の観光業者が商品開発するなど、新たな観光資源としても注目を集めている。

 

 今後は、こうした取組を一層加速することとし、先日グランシップで開催した「農芸品フェア」を、来年度は、浜松市で開催を予定するとともに、5つの大路ごとに仕事人や直売所に関する情報を掲載したマップを活用したポイントラリーを開催するなど、「食の都大路」を訪れた方々を地域へと誘い、「食」の魅力を県内外の皆様に伝えていく。

 

 また、来年度は、新たな取組として、生産者団体と連携をしながら、東京の秋葉原に県産品のアンテナ コーナーを設置することとしており、本県が誇るブランド商品などの試食やテスト販売を行うとともに、本県のお茶の魅力を伝える有楽町の東京観光案内所とも 連携して、「食の都」の情報発信と県産品の市場開拓を進めていく。

 

 海外へのアピールについては、静岡市内に料理店を開店した、フランスで修行し、東京で活躍されていた シェフや、東京の椿山荘で行った県のトップセールスの際に講師としてお招きをした、スペインで修業されたシェフなど、本県出身で世界的にも有名な皆様の力 をお借りし、ふじのくに「食の都」を海外に向け情報発信していく。

 

更に、政府において、日本食文化をユネスコ無形文化遺産に申請したことから、こうした動きに合わせ、米や茶、魚などの食材が多彩で豊富な、本県特有の和食文化の創造にも、新たに取り組んでいく。

 

(2) (知事)

 

茶の文化の起源地である中国で唯一「茶都」と称しているのは、本県と友好提携関係にある浙江省の省都、杭州である。 

 

静 岡県を含んで日本には、狭山の茶処、宇治の茶処等があり、本県も茶処のひとつというように自称してきたわけであるが、狭山茶をもって埼玉県が茶都とは言わ ない。あるいは、宇治が茶処であるからといって京都全体が茶都であるというふうには言わない。しかしながら、本県は、西は浜松から東は御殿場に至るまで、 また北は川根本町から南は御前崎に至るまで、県全域でお茶を生産し、生産量4割、生産額45分、流通量全国の6割、さらに、平均消費量は日本全体の平均の2倍であり、文字通り、「茶都」、「茶の都」と称してふさわしい場の力を持っている。

 

さらに、東部地区には茶畑と富士山のすばらしい景観もあり、大正期にすでに「山は富士 お茶は静岡 日本一」といわれるような標語もこうした景観から生まれたものである。

 

本 県一の茶産地牧之原地域には、県茶業研究センター、国・民間の研究機関、茶の文化施設が集積しており、川根から御前崎に至る「ティーロード」というふうに 言っていた所は、今「茶の都大路」と評しているが、そうした「茶の都大路」が縦断するなど、本県は、まさに、「茶の都」としてふさわしい多彩なお茶に関わ る資源を有している。

 

 また、掛川市周辺は茶園にススキやササなどを投入し、茶の生産と生物の多様性が一体的に保全されている「茶草場農法」として知られ、昨年12月に、「世界農業遺産」登録に向け、国連食糧農業機関へ申請したところである。先週には、現地調査が実施され、私自身もFAOから派遣された研究員の方々、また、国連大学の副学長以下関係者とお目にかかり、親しく意見を申し上げたところである。本年5月に石川県で、今回の現地調査を踏まえて開催される国際会議で審査が行われる予定である。

 

 さらに、昨年開催された「全国お茶まつり」で、お茶の機能性・効用に関する調査研究や情報を全国に発信した。また、本年4月から、県内の大学、茶業団体、県が一体となって、静岡県立大学に「茶学総合講座」が開設され、茶の機能性、疫学に関する研究、新しい茶と素材開発に関する研究などに取り組まれることになっている。

 

 これらの取組に加え、県では、静岡文化芸術大学学長の熊倉先生を座長とした「茶の都しずおか構想検討 会」を今年1月に立ち上げ、県内のお茶の歴史、文化、産業に関する資源の調査結果などと併せて、「茶の都」のイメージなどについて議論を進めていただいて いる。今後、更に御議論をいただき、来年度には「茶の都」構想を策定したいと考えている。

 

 52日から開催される第5回世界お茶まつり「春の祭典」においては、新緑の茶園を眺めながらの茶会や、茶畑の散策、茶産地を訪ねるツアーなどを実施し、お茶を楽しむスタイルを提案していく。「秋の祭典」には、「秋の祭典」のプログラムが用意されている。

 

 これらの取組を通じて、関連団体と連携をしながら静岡茶のブランド力の向上を図り、国内外に向けて「茶の都 しずおか」の魅力を情報発信していく。

 
 

11 公共土木施設の点検について

 

昨年122日の中央高速笹子トンネル天井板崩落事故は、中日本高速道路では、老朽化が事故に繋がった可能性がある、としており、全国の道路管理者においては、緊急点検が行われた。

 

幸い、静岡県が管理するトンネルにおいては、異常はなかったが、本県では、建設後、既に50年以上経過している公共施設が数多く存在し、今後さらに増加する。

 

今回の事故を受け、今後施設の点検をどのように行っていくのか、県の考えを伺う。

 

  一方、国土交通省の調査によれば、国内の全市町村で、トンネルの管理方法等を定めたマニュアルがないことが判明し、また、土木技術職員も不足しており、対応ができていない現状が明らかとなった。

 

県として、市町の支援について、どう考えているのか、伺う。

 
 

(交通基盤部長)

 

 県では、これまで道路・河川・港湾など工種ごとの点検要領等に基づき、パトロールを含む日常点検や定 期点検により、施設の適切な維持管理に努めてきたが、笹子トンネルの事故を受け、県管理トンネルの換気設備の緊急点検を実施し、現在、その他の照明や標識 等の付属物についても、点検を行っているところである。

 

 更に、国の緊急経済対策による予算を活用し、橋梁や道路の法面、河川の水門など、県民の安全安心に直接関わる施設について総点検を前倒しして行う予定であり、点検の結果、緊急に補修が必要な個所が発見された場合には、速やかに対策を講じていく。

 

 市町に対しては、土木技術職員不足への支援を行うため、今月20日に「社会資本長寿命化・市町サポート窓口」を設置するとともに、民間の専門家等で構成する「ふじのくに建設技術エキスパート」による技術支援や、社会資本の長寿命化計画策定などの支援を行っていく。

 

 県としては、公共土木施設の点検の重要性を踏まえ、今後も市町と連携し社会資本の確実かつ適切な管理を行い、県民の安全安心の確保に努めていく。

 
 

12 災害対策について

 

(1)4次地震被害想定の中間報告に伴う地震対策の見直し

 

本県では、これまで平成13年度に策定した第3次地震被害想定をもとに東海地震対策・津波対策を行ってきたが、これでは、県内における死者数の5,851人中、津波による死者はわずか227人であった。しかし、昨年の内閣府の試算では、最悪で10万人余の方が津波で亡くなるという、ショッキングな数字が示された

 

  今月13日、県は第四次地震被害想定の中間報告を行ったが、これまでの東海大地震対策の蓄積がどのような点に活かされているのか、また、今回の中間報告を受け、どのような点を変えていくべきなのか伺う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(2)富士山の噴火対策

 

富士山の噴火対策については、平成16年度に、噴火危険区域を示したハザードマップを作成し、平成19年度には、噴火警戒レベルの導入を進め、昨年6月には、静岡、山梨、神奈川の3県と関係機関からなる「富士山火山防災対策協議会」を設立し、地域ごとに綿密な防災対策を検討しているが、先日の静岡県防災・原子力学術会議の地震・火山対策分科会と津波対策分科会の合同会議において、本県側の避難対象となる人口が56万人と提示されたことが報道された。

 

富士山の噴火は、交通大動脈の分断による日本の経済活動に与える影響なども大きく、噴火を想定した対策の実行は、大変重要なことと考えるが、県としてどのように富士山噴火対策を検討しているのか、また、今後どう進めるのか伺う。

 
 

(1)(川勝知事)

 

 本県では、35年余にわたり東海地震対策を県政の最重要課題に位置づけて、戦略的に地震・津波対策を推進してきたが、東日本大震災を機に、新たに千年から数千年に一度、まれながら発生が想定されうるレベル2の地震・津波対策を対象に加えざるを得なくなり、これを加えた地震被害想定を今、策定中である。津波の浸水域の拡大による大幅な被害の増加や、西日本全域が被災する超広域災害が想定され、その対策が必要になるということである。

 

 本県がこれまで推進してきた、建築物の耐震化や津波からの迅速な避難の体制確保、各御家庭における「自助」の取組、地域防災を担う「共助」の要となる自主防災組織の強化など、東海地震対策は、地震・津波対策の基本であり、レベル2の地震・津波対策にも有効であると確信している。

 

 今後は、こうした対策の着実な推進に加え、津波から避難するための施設の一層の確保や、津波が乗り越 えても壊れずに粘り強く機能を発揮する防潮堤への改良、津波からの早期避難の意識を徹底すること、さらに、食糧等の家庭内備蓄の強化などハード・ソフト両 面の対策を実施していく。

 

こうした対策を講じることにより、レベル2の地震・津波が発生した場合であっても、できうる限り被害を軽減し、一人でも多くの県民の方々の命を守るように取り組んでいく。

 

(2)(危機管理監)

 

 昨年6月に「富士山火山防災対策協議会」を設置し、富士山が噴火した場合に備え、市町村や県を越える広域的な避難計画を、山梨・神奈川の両県と連携して検討しているが、これまでの検討では、溶岩流などから住民を避難させるため、地形を参考に富士山を17の流域に区分し、「富士山ハザードマップ」や気象庁が発表する「噴火警戒レベル」を組み合わせて、溶岩流などの到達時間に応じて避難区域を拡大するとの基本的な方針を固め、本県内で合計約56万人となる避難対象者数を明らかにした。

 

 今後は、三県や関係市町村による避難対象者の受け入れ先の調整を行い、本年夏を目途に開催する第2回協議会において広域避難計画を策定し、県民の皆様に公表していく。

 

 さらに、来年度には、輸送手段やルートについて広域避難の図上訓練を行うほか、9月に富士市・富士宮市で開催される総合防災訓練で実際に避難を行い、計画を検証した上で、26年度には、三県合同の避難訓練を実施するなど、三県、国、関係市町村等が連携し、広域避難計画の実効性を高めるとともに、火山灰対策や砂防対策などを含めた総合的な富士山の噴火対策を進めていく。

 
 

13 教育行政について

 

(1) 静岡式35人学級編制

 

政府は、次年度からの5箇年間で、公立小中学校の教職員定数を26700人増加する計画の実施を見送る方針を決めた。

 

これにより、静岡式35人学級編制につて、次年度予定していた小学校3年生への国による教員の加配措置が実現不可能となったが、本県はこれを実施する。

 

静岡式35人学級編制については、子どもや保護者から評価の声がある一方、教員の負担増や多忙化に繋がっている、という指摘もある中、平成25年度以降の静岡式35人学級編制についてどのような方向に展開していくのか教育長の所見を伺う。

 

 

 

 

 

(2) 学校部活動の課題

 

学校部活動は、生徒の人格形成や人間性を高める場として重要であり、心身の発達においても重要な役割を果たす。また、部活動での生徒の活躍は、県民の元気創出という観点からも注目されている。

 

しかしながら、生徒の希望する種目の部が学校に設置されていなかったり、専門的な知識・技能等を有する顧問が異動してしまうこと等により、生徒・保護者のニーズに十分対応できず、部員数が減少し、部廃止という状況に陥る学校も生じるなど、課題もある。

 

部活動顧問の資質向上、専門講師配置等の環境を整えることが必要と考えるが、どのように対応していくのか伺う。

 

(3) 学校における体罰

 

一方、昨年12月に、大阪の市立高校で、バスケット部の主将が部活動の顧問から体罰を受け、自殺する、という事件が起きた。

 

  報道によれば、学校側の対応も閉鎖的で、隠蔽体質であったようである。

 

  県においては、これまで学校における体罰に対して、どのような認識で、どう指導してきたのか、また、今後どのように対応するのか伺う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(4) 高等学校における発達障害等の生徒支援

 

文科省の調査によれば、全国公立小中学校の通常学級において、発達障害を持つ児童、生徒が6.5%在籍していることが判明した。35人学級、1クラスでは23人いる、という状況であり、特別支援教育推進体制の充実を図ることが求められている。

 

発達障害児への支援は、幼稚園、小学校、中学校、高校へとつないでいくことが重要であり、中学校において支援が必要であるとされた生徒が高校に進学していることから、高校段階でも一貫した教育支援を継続して行っていくことは極めて重要であると考える。

 

本県では、昨年度から旧周智高校において、モデル事業として新たな試みが実施されてきたが、今後どのように取り組んでいくのか、教育長の所見を伺う。

 
 

(教育長)

 

 文部科学省の少人数学級の推進計画は、実施を見送ったが、本県が重要施策として平成21年度から取り組んできた「静岡式35人学級編制」は、県単独の加配教員を新たに措置することにより平成25年度に完成する。

 

少 人数学級となったことにより、授業で積極的に発言する子どもが増え、一人ひとりの存在感が大きくなったなど、その良さを実感する学校現場からの声が届いて いるが、一方、ご指摘の、教員の負担増や多忙化については、担任外の教員が少ない小規模の小学校を支援するために非常勤講師を増員するなど解消を図ってい く。

 

 今後は、市町教育委員会や学校と連携して、成果の検証を一層進めるとともに、少人数学級における学習指導の充実のための教員配置や各学校にとって有効となる支援策について検討を進め、「静岡式35人学級編制」の充実を目指す。

 

また、国の35人学級編制が義務教育全学年で実現されるよう、引き続き文部科学省に対して要望していく。

 

(2)

 

 県教育委員会では、部活動は生徒の人格形成に資する重要な学校教育活動であると認識しており、生徒の興味・関心、適性等に応じて、指導に必要な知識・技能を有する教職員等から、適切な指導を受けることができる部活動の推進が重要であると考えている。

 

 現在、「スポーツエキスパート及び文化の匠派遣事業」による専門的外部指導者の派遣や大学生ボラン ティアの活用の取組に加え、今年度から高等学校へ部活動指導の非常勤講師を配置するなど、指導体制の充実に努めており、さらに、指導経験の浅い顧問を対象 に、効率的で科学的な指導方法や、安全・人権に関する研修を実施しているところである。

 

 今後も、外部指導者などの活用を推進するとともに、県中学校・高等学校体育連盟や地域のスポーツクラブ等と連携し、部活動顧問研修の充実を図るなど、生徒が資質・能力を十分伸長し、充実感を味わえる部活動の体制づくりに一層努めていく。

 

(3)

 

教職員による体罰は、児童生徒の人権及び人間としての尊厳を損なう行為であり、断じて許されるものではない。

 

 県教育委員会では、主催する研修会や校長会など、これまで機会あるごとに体罰の根絶、児童生徒の人権 尊重について指導し、また、「体罰の根絶に係る留意点」や「部活動指導における留意点」を学校に通知し、生徒指導時における体罰防止の具体的な指針を示し てきた。さらに、研修資料「信頼にこたえる~不祥事根絶のために」においても体罰問題を取り上げ、教職員としての行動規範や根絶に向けてのチェックポイン トを示し、学校現場における体罰根絶に向けた取組を継続的に進めている。

 

 しかしながら、このような取組の中、先日、浜松商業高校において、複数の部活動顧問による体罰の事実が判明したことは誠に遺憾であり、生徒、保護者の皆様、県民の皆様に深くお詫び申し上げる。

 

 現在、文部科学省からの「体罰禁止の徹底及び体罰に係る実態把握について」の通知を受け、すべての教職員、児童生徒、保護者を対象に調査を実施しているところであり、今後、この調査結果を踏まえ、教育現場における体罰の根絶を一層徹底していく。

 

(4)

 

 旧周智高等学校におけるモデル事業では、受講生徒の満足度が高く、教員や保護者からは、学校や家庭での生活に改善が見られたとの意見も多数あり、一定の成果を収めたものと考えている。

 

 発達障害等の生徒は、県内のほとんどの高等学校に在籍している現状から、来年度はモデル事業の成果を踏まえ、対象生徒を集めて行う専門的な支援とともに、各高等学校における支援を充実していく。

 

 専門的な支援としては、旧周智高等学校で行ってきたコミュニケーションスキルを習得する講座を、静岡 中央高等学校の通信制課程のシステムを活用して開講するほか、静岡中央高等学校東部キャンパスにおいても同様の取組を開始する。また、各高等学校における 支援に関しては、巡回相談の充実による学校支援、教職員の意識の啓発、生徒向け支援教材活用の推進役となる教員の養成研修などに取り組んでいく。

 

 本県の高等学校における発達障害等の生徒支援の取組は、全国に先駆けたものであるが、県内全域での支援実施や進学・就職に向けた円滑な接続等の課題も認識しており、今後も取組の検証、改善に努め、一層の充実を図っていく。

 

 

 

14 サイバー犯罪対策について

 

  昨年、他人のパソコンをウイルス感染させ、遠隔操作を可能とすることにより、他人になりすまして脅迫メールや殺人予告のメールを送りつける事件が発生した。

 

  また、この事件で、警察は、4人を誤認逮捕する失態を起こす結果となった。

 

 警察庁が公表した「平成24年度上半期のサイバー犯罪の検挙状況」によると、サイバー犯罪の検挙件数等は、過去最高の件数に上っており、コンピュータウイルスに関する相談件数は、285件で、約80%増加している状況にある。

 

  今回の事件は、県内ユーザーにとって大きな脅威となっている中、本県におけるサイバー犯罪の現状と併せ今後のサイバー犯罪対策への取り組みについて伺う。

 
 

(警察本部長)

 

本県における平成24年中のサイバー犯罪の検挙件数は、前年比93%増の185件であるが、現在まで、問題になった遠隔操作ウイルス等による悪質なサイバー犯罪の発生は認知していない。

 

 今後のサイバー犯罪対策への取り組みとしては、対処能力を強化するため、平成24年度に7人増員したサイバー犯罪対策室を、平成25年 度にも所要の増員を行うなど、体制の強化を図っていく予定であり、また、即戦力となる情報処理に関する国家資格を有する者やシステムエンジニア経験者等、 優秀な人材を採用し、サイバー犯罪対策室に配置するとともに、今回のような事件の発生を見越して、複雑困難な事件経験の豊富な警視庁へ、常時、捜査員2人 (毎年)を長期派遣するほか、複数の県警と合同捜査を組み、先般も首都圏を中心に発生したフィッシングサイトによりクレジットカード情報を盗用した事件を 解決するなど、全国のリーディングケースとなる事件経験を積むことで、サイバー犯罪に対する捜査員の実力の向上に努めているところである。

 

 その他、「静岡県インターネットプロバイダ生活安全協議会」及び「静岡県インターネットカフェ協議会」等、民間事業者等との連携も図り、サイバー犯罪対処能力を強化していく。

 

 

 

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