平成19年12月定例会厚生委員会質疑概要
平成19年12月定例会 厚生委員会質疑概要(12月13.14日)
質 問 |
答 弁 |
1 県立富士見学園の指定管理者指定に係る課題について |
(本後障害者支援局長) 指定を受ける(福)あしたか太陽の丘は、知的障害者入所施設の運営や障害者を対象とした各種事業の実施等実績があり、第3者からなる検討会でも認められている。指定期間を10年としたのは、職員の安定雇用や安定的な運営を図るためである。 |
2 養護学校や特別支援学校を卒業した重度心身障害児について、就労が難しい状況の中、子どもたちの将来を考えると、社会との交流を絶やさないため、また、保護者の負担軽減、という点からも、通所・入所施設やショートステイ、機能訓練等サービス提供施設の充実が必要である。 これらは、居住地の近くに欲しいと考えるが、保護者や本人の、これらサービスへの需要に対応しているのか、もししていないのであれば、施策をどのように構築していくのか |
(壁下障害者プラン推進室長) 本年3月に策定した「ふじのくに障害者プラン」に各市町が設定した平成23年度までのサービス見込量をまとめた県のサービス見込み量を設定した。この数値を達成するため施設整備費の助成や日中活動サービスの充実に努めている。これからも重度の障害者が住み慣れた地域で暮らせるようサービスの充実に努めていく。 |
3 子どもたちのうつ・そううつ病への対応、教育委員会との連携について |
(金指精神保健室長) 県精神保健福祉センターによれば、人格形成期にうつ・そううつ病と診断を下すことは不安をあおるため、県内の事例はない、とのことである。教育委員会に確認した所、子どもが症状を示した場合、保護者に連絡し、学校医に相談するなど医師への受診を勧めている。なお、県庁内の自殺対策連絡会に教育委員会のメンバーも入っており、連携に努めている。 |
4 学童保育における教育の観念について |
(小林子育て支援室長) 指導員は、遊びを通じて自主性や社会性を育て、宿題や自習など学習活動を自主的に行えるようにし、基本的な生活習慣の援助、自立に向けた手助けなどし、その力を身につけさせるよう取り組んでいる。 |
5 生活保護の実態と対応について |
(森下地域福祉室長) 県内では、平成18年度で月12,617世帯、16,749人が生活保護を受けており、保護率は4.4パーミルとなっている、これは全国の11.8パーミルに比べて約1/3の水準で、都道府県では下から8番目となっており、本県の雇用状況が優位にあることによると考えられる。 収入の少ない一人暮らし老人など生活困窮者については、民生委員等との連携を図り、適切に生活保護を適用するとともに、保護開始後においても、定期的な世帯訪問等により必要な指導援助を行っていく。 生活保護が適用されないまでも、生活が苦しい低所得者や障害者、高齢者に対しては、「生活福祉資金貸付制度」を活用されるよう努める。 |
6 妊婦検診を受けないまま出産する「飛び込み出産」は、妊婦、子ども双方に危険であり、また、病院、産科医にとっても負担が大きい。 妊婦検診の受診率向上施策を伺う。 |
(栗田こども家庭室長) 産科における聞き取り調査では、未受診の理由は、経済的なことによるものが最も多かった。未受診には、望まない妊娠、経産婦で状況がわかる場合、在住外国人、という3つのパターンがあると考えられるが、制度の周知が必要である。 来年度から妊婦検診の公費負担回数が増加することから、市町と連携して未受診の危険性と妊婦健康診査の重要性を周知していく。 |
7 後期高齢者医療制度について ① 現金給付の方法 ② 保険料の徴収は市町が行う、となっているが、滞納整理までおこなうのか ③ 保険料の軽減の算定方法 ④ 日本の医療制度・国民健康保険・老人保健制度においては、世帯賦課の歴史があるが、個人納付制度を理解してもらえるのか ⑤ 軽減を受ける被保険者数と限度超過の被保険者数の見込み ⑥ 所得割6.84%、均等割36,000円の算出根拠、他県との比較、賦課限度額50万円の算出根拠 ⑦ 国民健康保険においては、料(税)の収納率向上のため、短期保険証や資格証明書発行のペナルティーがあるが、本制度における対応 |
(爲田国民健康保険室長) ① 療養費や葬祭費等は、市町でなく、広域連合が行うが、申請は従来どおり市町窓口で受付し、現金給付は口座振り込みとする。どうしても現金で受け取る、とうい人に対しては、現在、市町窓口で渡すことを検討している。 ② 市町が滞納整理まで行う。県の滞納整理機構は税のみを対象としているので、この保険料は行わない。 ③ 保険料の算定は個人ごとに行うが、軽減判定は世帯の75歳以上の被保険者合算で行う。 ④ 個人単位で賦課することについては、理解しもらえるよう広報していく。苦情等への相談は、市町と広域連合が連携しながら対応していく。 ⑤ 軽減を受ける被保険者は、20万3,000人程度、50万円の限度超過の被保険者は6,700人程度と見込んでいる。 ⑥ 保険料の算出は、賦課総額645億円を予定収納率99%で除し、所得割:均等割=1:1.1として人数で割るなどして算出している。賦課限度額50万円は、国がおおよそ1.5%程度の人が限度額となるよう調査した、と説明している。他県との比較は、所得割6.84%は全国で下から5番目、均等割36,000円は全国で下から4番目である。 ⑦ 保険料を年金から天引きするため、収納率を99%と見込んでおり、現在の所、収納対策としてのペナルティーは特に計画はしていないようである。 |
8 国民健康保険制度において、保険料・税の収納率向上のために、未納者に対しては資格証明書や短期保険証を交付している。 一時的、あるいは、うっかり未納者に対しては効果があり、収納率向上に役立っている、と思うが、生活保護ぎりぎりの世帯では、滞納する可能性が高く、恒常的にこれら保険証や証明書により受診する世帯も多くなる。すると、こういう皆様は受診を抑制する方向に向かい、結果的には適正な診療を受けずに重症化することとなることも想定される。 これら短期保険証や資格証明書の交付を受けた被保険者と一般保険証による被保険者との受診率(受診率が低ければ、受診抑制していることが考えられる。)と重症化率(率が高ければ受診が必要であるにも拘わらず自主抑制していたことが想定される。)の比較について |
(爲田国民健康保険室長) 平成18年度においては、9,702世帯に資格証明書が交付され、3,909件の受診(レセプト枚数)があった。受診率は39.9%で、1年間に0.4回受診していることになる。 なお、重症化率のデータはない。 |
9 助産師・助産所について 近年、県内で、産婦人科の診療を休止、廃止した病院が11カ所にも上っている状況の中、「第6次県看護職員需給見通し」では、看護職員が平成19年度の見通しで千人以上の不足、という数値がでているが、一方、助産所においては殆ど増加を見込んでいない。 08年からは病院の嘱託がなければ助産所の運営ができないため、廃業する助産所が出てくる、とのことであるが、県においては助産所・助産師についてどのような考えを持っているのか ① 助産師を養成する教育機関の現状と方向性 ② 助産所と県周産期医療ネットワークとの連携状況と課題 ③ 助産所と嘱託医、嘱託医療機関との連携の状況と課題 ④ 母子保健法などによる育児支援への助産師の活用 |
(医療健康局長)(人材養成室長) ① 助産師の需給見通しでは、平成18年が約94%、平成22年が97%となっている。国の実態調査の結果では、助産師が絶対的に不足している、という意見があった。県内の分娩の現状は、病院での分娩が33%、診療所が54%、助産所は1.4%、立ち会いでみても6%弱である。 分娩の適切な対応を行うためには、医師・助産師の確保が必要であり、そのため、助産師の確保に取り組むとともに、産科医、助産師等関係者の連携を図ることとしている中、県内の平成19年度卒業者は31人で、内県内就業者は22人となっている。助産師の養成には実習症例数の十分な確保に限りがあり、定員増は困難な状況にあるので、潜在助産師の再就業支援を行うことによって必要な助産師の確保に努めていく。 全国の養成施設は145施設(104大学、41短大)ある。県内では、静岡県立大学、浜松医科大学、聖隷クリストファー大学の3校で、定員は31人である。助産師養成は、カリキュラムが非常に過密で、求められる教育目標レベルが高い。助産学実習における分娩の介助は、1学生当たり10例(正常分娩)が用件となっているが、分娩件数が限られている上、分娩は日時が特定できない、など看護実習とは異なる事情がある。また、マンツーマン教育が原則であるため、1課程10人程度の定員か限界である。一般の看護実習は8単位であるが、9単位(45hの増)必要となっている。再就業支援として、潜在看護師再就業支援事業の中で助産師コースを設けており、引き続き継続していく。 ② 本県では、平成10年に周産期医療ネットワークを構築し、助産所もシステムに組み入れている。助産師会では、リスクのある妊婦を、2次、3次医療機関に搬送する判断が遅いことがあり、統一化を図る必要があると考えている。 ③ 本県においては、助産所と嘱託医の確保はされている。 ④ 既に、妊婦検診や新生児訪問で助産師が活動している他、「こんにちは赤ちゃん事業」では、18の市町が助産師を派遣している。病院でも、助産師外来を設置している所もあり、助産師の活動の場が増えていると考えている。 |
10 救急対応について ① 救急の場合、消防署司令室の的確な判断、受け入れ側の対応の調整などがリアルタイムで必要と考えるが、県下では十分な対応が取られているのか、課題はないのか、厚生部としての評価、所見を伺う。 ② ドクターヘリは、現在24時間体制になっていないが、夜間の出動を要するケースも実際多いと思う。県民の救急対応を考えた場合、検討の余地があると考えるが、他県の状況も含めて、24時間体制が取れない理由を伺う。 (要望として) 24時間体制が取れない事について、物理的な点は解決ができると思う。住民の理解についても、救急ということであれば理解を得やすいのではないか、引き続き頑張って欲しい。 |
(医療室長) ① 本県では、県下の病院、診療所、消防本部等をオンラインで結んだ「広域災害・救急医療情報システム」を「医療ネットしずおか」の中に取り込み、医療機関や消防本部等の関係者向け機能として運営している。このシステムは、毎日午前9時と午後5時を目処に、医療機関が応需情報(受入可能情報)の更新を行うこととしており、消防本部からいつでも閲覧できるようになっている。また、消防本部から負傷者等の受入要請を入力すれば、エリア内の医療機関に瞬時に伝わり、受入可能病院から最新の応需情報が入り、負傷者等を適切な医療機関へ素早く搬送できるシステムとなっている。しかしながら、このシステムも応需情報の入力を人手に頼っていることから、一部医療機関においては、更新が遅れることも生じており、こまめな更新の徹底を図ること、また、休日、夜間においても活用するためには、関係職員全員が操作に習熟する必要がある。今後とも、このシステムが有効に機能するよう関係医療機関に対して協力を要請していく。 ② ドクターヘリが配備されている11県中、24時間体制を取っている所はない。24時間体制が取れない理由としては、夜間については、有視界飛行が不可能なため、計器飛行で行うこととなるが、ハード面として、夜間飛行が可能な計器の整備、着陸地点の照明設備が必要であること、ソフト面としては、風向きが変わるため、新たな飛行ルート(予備ルートを含め)の設定、パイロットの訓練(90日以内の離発着)が必要となるなど夜間飛行には厳しい条件があり、また、午後9時以降の飛行には、付近住民の騒音に対する対応が非常に難しい。国においても夜間飛行について検討しているが、最終的には付近住民の理解を得る点が問題となっている。 |
11 AED(自動対外式除細動器)について 新幹線ホーム等次第に駅や公共施設等で見受けられるようになってきたが、実際に設置されていても、取り扱いのできる人がいなければ、絵に描いた餅、となる。取り扱い講習の実施状況、配備の状況、使用実例は |
(医療室長) AEDの取り扱い講習については、各消防本部において、普通救命講習と合わせて、インストラクターによるAED講習会を実施しており、19年3月までに123,961人が受講した。今後とも、消防室と連携し、消防本部による講習会を積極的に開催していく。 AEDの配備状況については、平成19年6月1日の調査時点で、42全市町で、公共施設を中心に594台配備されており、今年度中の設置予定384台を合わせると今年度末には約1,000台のAEDが公共施設に設置される。県有施設においては、グランシップやエコパ等県有施設で43台、高等学校等教育委員会所管施設で195台が設置されている。民間施設については、把握が困難であるが、昨年10月に保健所を通じて調査した結果では、JR等の交通機関やホテル等宿泊施設、スポーツ施設で約130台が設置されている。 使用した実例については、平成18年度中に県内における市民等による実施件数は10件であった。最近の事例では、本年4月に、JR静岡駅上り線ホームで倒れている男性に対して、居合わせた女性が心肺蘇生法を施すとともに、AEDを活用して救命したものがある。 |
12 B型、C型肝炎の感染者は、全国で約300万人から350万人、静岡県においては約9万人と言われている。主に、輸血や注射などの医療行為により感染する、とのことであり、この内C型肝炎の発症事例は1万人程度と見られている。 現在、治療費の助成を行って いる自治体は北海道や東京、長野県である。 インターフェロンによる治療費は高額であるが、この治療で完治する可能性もある、と言われている中、県の対応及び国の方向性について伺う また、旧三菱ウエルファーマの薬剤による感染者は418人、ということであるが、静岡県における感染者はどの位いて、どのように対応しているのか |
(疾病対策室長) 肝炎の治療費助成については、11月7日の「与党肝炎対策プロジェクトチーム」により「新しい肝炎総合対策の推進」が発表され、その中で、インターフェロン治療を受ける人を、現在の5万人から10万人に倍増するための支援が提言された。この支援は、7年間の限定とされているが、総額1,792億円に上るものであるため、国は、地方に1:1の分担を求めている。 一方、民主党案では、自己負担を更に軽減するとして、費用負担は与党案よりも重くなっている。 治療費助成については、全国知事会、全国衛生部長会を通じて、本来国の責任において実施されるべきものとして、国に申し入れを行っている所である。 県としては、このような経過を踏まえ、国等の動向を注視しつつ、今後検討を進めていく。 |
13 がんセンターにおけるよろず相談と看護相談の件数が増加しているが、その内容と対応について |
(宮城島マネジメントセンター長) 受診相談においては、がんセンターを受診する際の手続きについての問い合わせが多く、紹介予約制の説明や予約センターにおける予約方法について説明している。 看護相談においては、在宅看護に関する相談が多く、介護保険や訪問看護の利用についての説明など在宅での医療資源の活用について紹介している。 |
14 がんセンターは看護師不足で増床できないとのことであるが、増床が難しいのであれば、根本的に施策変更を検討することも必要ではないか、また、全床開棟はいつ頃と見込んでいるのか |
(宮城島マネジメントセンター長) 施策の変更はせず、看護師の確保に全力を挙げ、一日も早い全床開棟を目指していく。 なお、国から7:1の看護師基準の厳格化の方針が示されており、これが実現されれば、看護師確保の受給が緩む可能性があると考えている。 |
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